一畳ちょっとの二人部屋

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創作や趣味のゲームの話

Jメロでやってたとーけんらんっ!の英語歌詞

B!
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 絶賛英語勉強中の身なので本日Jメロで流れてたとーけんらんっ!の英訳版歌詞を見ながらあーだこーだ言って面白がってました。というわけで英語歌詞を参照して翻訳すごーい!と呟くだけの記事。引用元は番組内で表示された英語歌詞及び元曲「刀剣乱舞 ~三百年の子守唄~*1」の日本語歌詞です。
 一応歌詞を載せるためだけの記事ではなくて、歌詞のここいいよね!とか書きたいがために書いてるので引用のつもりではありますが著作権者から引用と判断されなかった場合は消します。

 

 
Touken Ranbu, forged with the finest steel
We unleash our power now
Touken Ranbu, with great pride held in our hearts
Even if our bodies should rust away

 

 最初のサビ。頭三行はさておきまして最後の『rust away』です。
 日本語の『朽ち果てる』ですが、decayでもなくrotでもなくrustなのがちゃんと作品のこと知って訳してくれてるんだな~と感じたポイントです。「rust=錆びる」でちゃんと(金属類が)朽ち果てる、というニュアンスなんですよね。『朽ち果てる』から機械的に訳すとピンポイントでこの語が出てくる可能性は低めなのでやっぱこういう翻訳は人の手を通してほしくなるところ。この歌詞単体を見て「本体が刀剣である付喪神が歌っているので『この身』が『朽ち果てる』場合はrust」とか判断するのは(今のところ)機械にはまず無理だし人間も多分ちゃんと調べてないと分からないのでプロの仕事だ!って地味に思うポイント。
 ついでに文法のおさらいするとif~should動原で仮定法現在、限りなく可能性の低い仮定です。まあ『この身朽ち果てるとも』って可能性高めの仮定で言われても困るわな.
 
 
 A radiant figure, giving off bewitching light

 

『匂い立つその姿 妖しき光』
 妖しい光を放射する正。とりあえず『匂い立つ』でひくと
『② (美しさなどで)あたりが輝くように感じられる。 「 - ・つばかりの美しさ」(大辞林第三版)*2』と「輝くような」っていうニュアンスに言及してる辞書があるんですね。てことで『光』と合わせてradiantをもってきたぽい。翻訳小説あるある描写、「彼女の顔が(喜びで)光り輝いた」とか出てくる時の単語です。「喜びが彼女の顔に照り映えた」とか言われるとすごい翻訳小説感あるよね。
 
 
Darkness fills me at the scent of blue blood
Now let us cross blades

 

 妖しい刀その2こと青江。blue bloodというと貴族のイメージが出てきてしまう気がするんですが元の歌詞がストレートに『青き血』だしもうこれはしょうがないんだろうか。Darknessが主語でmeをfillするっていうのがどういう言い回しなのかニュアンスわからんので誰か詳しい人教えてほしい。(香りが空間を満たすってscent swhかa scent fills swhあたりしかボキャブラリーがないので)
 
 
A jet-black dragon walking the warpath alone
 
In anger, prayer, or instinct I strike
A single sweep of a sword

 

 大倶利伽羅はそのままなので割愛しますが私はここで一番うけてました。ジェットブラックドラゴン。日本語で『漆黒の龍』と聞くとかっこいいのと中二とのぎりぎり境目という感じが(少なくとも私は)しますが英語でjet-black dragonと聞いたときの語感がどうなのかとても知りたい。
 石切丸もそのままなので割愛。英語も日本語の助数詞に近い表現(counter suffix)が色々あり、sweepもそのうちのひとつです。a loaf of breadとかa bulb of onionとかそういうやつ。刀剣に限らず「腕を振る」とかでもsweepを使ってるのを見た覚えがあります。
 
 
 In order to bring this fight to victory

 

 幸運を運ぶ物吉。bring this fight to victory「この戦を勝利に導く」でbring使って日本語歌詞の「勝利を"運ぶ"」とかけてる感じですごい上手い。翻訳からっきしなのでなんでもすごいすごい書いてしまいますが許してください。正直この一節の話したいがためだけに記事書きました。
 
 
 I now hasten forth my soldier's honor

 

 元の歌詞では『今馳せ参ず』と『武人の誉れ』が文章として繋がってるわけではない、歌の歌詞らしく曖昧な日本語ですが、英語はforthでつなぐことで「私は武人の誉れへ向かって馳せる」となってますね。元は単語だったり未完成な文章を並べていたりで曖昧に想像の余地があるものをこうしてばしっと一意に定められると翻訳する人の解釈が見える感じがして面白いです。
 
 
Touken Ranbu, with our bodies scorching hot
We'll run through all that is in our way
Touken Ranbu, with our master's orders
held eternally in our hearts
Even if our bodies should turn to ash

 

 2回目サビ。『燃え尽きる』が『turn to ash』で「灰になる」なんですね。最初のサビのところで見たように刀剣男士の設定をきちんと把握している翻訳家さんが訳したものでしょうからここで燃え尽きた後の表現として灰をもってきたのは面白いかもしれない。まあ「酸化鉄になる」とか訳すのはさすがにどうかという感じだし、burn downあたりにしても実際に炎で燃やされてる感が強くて『この身燃え尽きる』とかいう時に使う言い回しじゃない気はするので適当そうなのがこの表現しかなかったのだろうか、と思うと同時に男士が力尽きる時は灰と化すほど激しい炎の中で燃え尽きるイメージがあるのかなあとか考えてみるのも楽しいです。
 
 
 そんなこんなで7割くらいただの想像とすごいor面白いの薄い感想でお届けしましたが、日本語から英語の翻訳って単に単語を置き換えるだけじゃなくて日本語を解釈したうえで適当な英語の表現を選ぶという過程が大事なんだなあというのがわかりやすいですね。こういう歌詞の翻訳とか詩の翻訳って。
 アニメの翻訳とかでもそうですが、日本語で曖昧になってた部分が英語になるにあたって意味がはっきりするパターンというのが時々あるのでちゃんと監修を通した(通ってるよね?)翻訳が色々増えてほしいなー。
 
 

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*1:by刀剣男士formation of 三百年、作詞茅野イサム、作曲篤志・渡辺光彦

*2:https://www.weblio.jp/content/%E5%8C%82%E3%81%84%E7%AB%8B%E3%81%A4