一畳ちょっとの二人部屋

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創作や趣味のゲームの話

【クトゥルフ神話TRPG】おすすめ技能の振り方と目安【6・7版対応】

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 推奨技能以外はいつも適当に取っちゃってる!推奨技能のないシナリオでどう技能とったらいいか分からなくて迷う!

 という人向けに、汎用およびシティなどのシナリオタイプに応じた技能ポイントの振り分けかたを書いてみようと思います。
 
 筆者はどちらかというと数字優先で技能を振ってからそれに見合う設定を考えるタイプなので、参考になりそうなところだけつまみ食いしてもらうのがちょうどいいです。あとくれぐれも他のPLにお前は技能の取り方がなってないとかいって詰め寄ったりしないように。
 また、筆者は基本ルールブックにあるような系統(探索メイン)のシナリオをよくやるのでタイプの違うシナリオ(ストーリー重視、エモシ、秘匿やPvP前提等特殊システムメイン)とは合わない部分があるかもしれません。なるべく普遍的に通じそうな部分を取り出して書いたつもりですが、あくまで自分流なので慣れるまでの目安としてください。
 
 

 

まずは基本、ルルブのコラム

 6版ルールブックp.75『最も役に立つ技能は何か?』を読んでください。読めたら次に進みましょう。
 このあともルールブックを手元に開いて適宜関連項目を参照しながら読めば自分のプレイスタイルに合った技能の取り方・使い方がより早く上達します。
 

推奨技能をとる

 推奨技能がない場合はとばしてください。
 
 推奨技能については、「あればスムーズor楽に行ける」程度なのか「なるべくとってほしい」、「ないと詰む」になるのかKPにできる限り聞いたほうがよいです。「どの程度使う場合に推奨技能とする」のかはシナリオによって本当にバラバラなので、聞いて悪いことはありません。PCのうち誰か一人が60あれば十分という場合もあれば、全員80はとっておいてほしいという場合もあります。
 始まる前にKPとコミュニケーションをとるのもセッションのうちです。
 
 もし「必須」と言われた場合はかなりシビアなダイスゲー*1になると予想されるので、可能な限り高く振りたいところです*2
 
 「ないと厳しい、なるべくとってほしい」等であれば、4人パーティなら2人、2人パーティなら1人が振って成功率8割を越える程度はまず必要と考えています*3
 ただ推奨技能の数や全体で使える技能値の総量、全員で探索できるのか個人探索が求められるのか等によってこの数字(8割)はかなり上下します。探索者が1人ならば6割あれば上出来という場合もあるかもしれません。
 
 「あればスムーズ」程度であれば全員で5割そこらあれば十分、というかほとんど気にしないことが多いです(が、KPの負担が大きくなる可能性を考えたりでなんだかんだ全員合わせてみると7割くらいにはなっていることが多い気がする)。
 

推奨技能以外を選ぶ

 推奨技能を埋めたらパーティ全体の技能を見つつ(そして他PLとも相談しつつ)、現在分かっているシナリオの情報から使える可能性の高そうな技能or汎用的な技能のうち足りていないものをとります。小規模なシナリオであれば推奨技能以外は完全に趣味でもいいかもしれません。
 
 汎用的な技能は大きく分けて探索、対人、戦闘*4技能のうち主要なものが満遍なくカバーされているかどうかを確認し、なければ以下のような優先順位でとっていきます。
 
探索
《目星》《図書館》《精神分析
   >《聞き耳》*5
 
対人
《言いくるめ》《説得》《信用》*6のうち2つ程度
  >《心理学》
 
戦闘  ※現日の場合。海外などの場合は後半の戦闘の項で補足します
《組み付き》、それなりの殺傷力がある戦闘技能(ノックアウト攻撃が使えるもの)、《応急手当》/《医学》
  >戦闘技能(火器等の遠距離攻撃ができるもの)*7《回避》
 
 
  もちろん一から十まで特定のシナリオに合わせたり「使える」技能のみに振る必要はなく、最終的にはキャラクターのライフパスや性格を考えて遊びをもたせたポイント配分になることでしょう。シナリオに対して十分な人数がいればその余裕はあるはずです。
 

どの技能を高く取り、どの技能をほどほどに取るべきか?

その前に、数字上の効率の話

 例えば、同じ100ポイント相当の技能値でも
PC A :50%
PC B :50%
だと両方失敗の確率は0.5*0.5=0.25で25%です。
 
 これに対し、
PC A :80%
PC B :20%
のように取ると0.2*0.8=0.16の16%に減ります。90%と10%ならば9%です。50%+50%と比べると3倍近く違いますね。
 
 このように、中途半端な技能値が複数いるよりも高技能値が1人いるほうが失敗しにくいです。PCが複数いる場合は分業し、バシッと一発で決める必要のある技能とそうでない技能とを区別して振りどころを考えるとよいと思います。*8
 
 

極力高く振りたい技能

・一度に1人しか振れない
・一度の成功が生死を大きく左右する
 このあたりに該当する技能は特に多くの技能ポイントを振りたい技能であるといえます。
 
 個人的にはせめて90と言いたいところですが、ハウスルールやリアリティを求めてあまり高技能値はとりたくないというこだわりもあるでしょうからとりあえず80程度としておきます。
 

《応急手当》《医学》

 (6版)
 ひとつの傷に一回しか手当てできないため、微妙な技能値が何人もいてもあまり意味がないです。
 CoCはほんの2,3回の負傷でうっかり死ぬこともあります*9。死ぬまでに何発も攻撃を食らうのが普通であれば50,60程度の技能値でもそれなりに使いでがあるのですが、試行できる回数が少なすぎるので一度の失敗が非常にシビアに生死を左右します。可能な限り高技能値をとりたいNo.1です。
 
 (7版)
 二人で応急手当を振れるようになったため、極振りの必要性はやや減少しています。またより緊急性の高い手当について《応急手当》のほうにウェイトがかかりました*10。ただ(瀕死を除き)一つの傷に一回である点は変わらず、耐久力ゼロから死に至るチャートは6版と比べてシビアになったため《応急手当》はかなり高め、《医学》もそれなりにとりたいところです。《応急手当》《医学》合わせての必要技能ポイントは6版より上昇したといえるでしょう。
 
 

《心理学》

 (6版)
 とるならば可能な限り高くとる、とらないなら一切とらない、でよいです。
 KPがクローズで振る場合は出目がわからないため、もし50%だった場合真偽が五分五分で一番役に立ちません。
 オープンで振るか失敗成功が分かりやすい情報の出し方をするKPであれば余りで少しだけ振るなどしてもよいと思います。また少人数探索なのに推奨技能が多く、《心理学》も必要なのに技能ポイントが足りない、という場合は中途半端でも取らざるをえない場合があるでしょう。
 普通の使い方をする場合は極振りor極力振らない、をおすすめします。
 
 (7版)
 基本の使い方においては極振りor振らない、であるのは変わりませんが、対人技能の対抗及び奇襲の察知に使えるようになったため中途半端であっても技能値を振る有用性は上がりました。その場合パーティ全体で見て誰も持っていない場合はとる、というより、回避のように各々が自衛のためとりたければとる、という形になるでしょう。
 
 

精神分析

 (6版)
 なぜか戦闘の話から始めます。CoCは被弾一発の重みが大きいので、生存率を上げるには先手必勝(orうまく逃亡)が重要です。先に相手に一発叩き込めるかどうかが生死を分けます。
 ところで神話生物と出会い頭正気度判定、戦闘開始……という流れはよくありますね。こんな時に初手の発狂をうまく処理できずもたついていると被害が大きくなります。無害な発狂ならば放っておいて先にとりあえず敵殴ろう、となった経験のある人も多いのではないかと思います。
 というわけで、戦闘時の生死に関わる、なるべく失敗で手を消費したくない=一発で決めたい=高技能値をとっておきたい、の図式が完成します。
戦闘がなさそうであれば高技能値である必要性はかなり下がり、複数人でそこそこの値を分散して持つ程度がちょうどいい技能になるでしょう。
 
 味方の発狂だけでなく情報ソースとなりうるNPCのケアにも使います。どんなシナリオでもいずれかの目的で使う可能性は高いので汎用性があり、なおかつないと困る可能性の高い技能です*11
 
 (7版)
 狂気の扱いがかなりシビアになったため*12、6版のような即時に使う目的でとる必要性は大幅に低下しました。ただ潜在狂気の間のペナルティーを避けるという使途はあるため、(複数人合わせてでも)それなりの数値があったほうがよいのは確かです。
 また正気度回復目的で振る場合ファンブルのデメリットが大きいので、とるのであれば50以上はあったほうがよいでしょう。
 
 

《組み付き》

 (6版のみ)
 組み付いたあとさらにSTR対抗などが入るので、実は同じ技能値の他技能より成功率が低くなっています*13
 
 さらに「暴れていて危険だが殺したら困る」敵や味方を取り抑える必要性はきわめて大きいです。仲間は無論殺すわけにいきませんし、NPCでも殺せばSANチェックが入ることがあります。敵であっても普通の人間NPCはおいそれと殺すわけにいかない、という場面は多いものです。
 必ず毎回必要になるわけではありませんが、いざ必要となった時あるかないかで大きく展開が変わる可能性が高い技能です。
 
 単に殺せばいいのであれば手段は多いですが、殺さず捕まえるにはほぼ《組み付き》一択です*14
 成功させるのが難しく替えがききにくい、という点でそれなりに高くとりたい技能であるといえます。ただ《応急手当》や《心理学》ほど極振りする必要性は薄いかなといった感じです。
 
 

《運転》

 運転をとること自体があまりないかもしれませんが、1人しか振れないのと、特に追われる場合のカーチェイスはかなりシビアに運命を左右するので推奨技能として要求された場合はしっかり取りたい技能です。
 
 

中程度(60~)でもよい技能

《目星》

 重要技能ですが初期値で25ある上、一発で決めなければ死ぬ!という場面はまずないので推奨技能であっても複数人でそこそこ持っていればいいかなという感じの技能です。人数が少ない場合、個人探索が求められる場合はとれるだけ高くとっても損はないでしょう。
 

《図書館》

 基本的に目星と同じく全員でそこそこあればいい技能ですが、一度の経過時間が大きいため時間管理のシビアなシナリオでは重要度が跳ね上がります。極振りの必要性は薄いですが高くても腐らない技能です。
 
 

50未満

 50を切って40代以下になる場合、基本的に趣味(=シナリオで活用するつもりでとるわけではない、フレーバー)技能だと思ってください。実用を考えているのであればせめて50以上とっておくべきです。また7版の場合は50を境にファンブルの数値が変わるため、使うつもりで取るならまず50は欲しいともいえます。
 
 初期値が高く、複数人でかわるがわるチャレンジできる可能性が高い技能や、そこまで頻繁には使わないがあると助かることがあるマイナー技能を余ったポイントで振ってこの値になるという場合が多いでしょう。
 
 初期値が高く、複数人でチャレンジできる可能性が高い技能
 →《目星》《聞き耳》《図書館》など
 
 そこまで頻繁には使わないがあると助かることがある技能
 →《オカルト》《歴史》《ほかの言語(ラテン語ギリシャ語など魔道書に多い言語)》《跳躍》(落下ダメージの軽減)《変装》など(自分がこのあたりを活用するパターンを色々ため込んでいるというだけで、これを見て「どう使うんだ?」と思う人は使いどころがないかもしれません)
 
 

ステータスや技能の組み合わせの考え方

汎用

 低POW×低INT
 正気度判定に失敗しやすい→5以上の減少の可能性も高い→そのぶんアイデアを低くして一時的狂気は回避しよう、という狙いです。不定はどうにもできないのと他のPCにアイデアを補ってもらえることを前提にしています。他のPCも低アイデアの場合や単独運用を考えている場合はアイデア上げるほうをとります。
 
《組み付き》×高STR
 最も使用頻度の高い取り押さえでSTR対抗が入るのでそれなりのSTRはほぼ必須。
 7版の場合近接戦闘でSIZの重要性が上がるので、《近接戦闘》×高STR&SIZとなるでしょう。
 
精神分析》×高POW
 言うまでもないですが《精神分析》したい時に本人が発狂していては話になりません(6版の場合)。
 7版は《精神分析》を使うとしても全員が一気に発狂するような場面では無力なのであまり気にする必要がなくなりました。
 
 低MOV×高CON(7版の場合)
 7版では、チェイス開始時にCONをロールして速度を決定します。そのため、7以下など低MOVの場合にCONまで低いと絶望的な結果になりがちです。
 MOVが低いステータスを採用するのであれば、CONは高めのほうが生き残りやすいといえるでしょう。
 

舞台によって

シティ

 シティといっても公式に定義された言葉ではなく千差万別ですが、法の支配する世界の人里が場面となると共通して重要になってくる技能というものはやはりあります。
 
《組み付き》
 人を殺せない・殺さずに捕らえたい局面がでてくる可能性が激増するので1人は実用レベルで持っておきたいです。
 
《追跡》
 見かけた敵を追いかける展開があるあるです。1人は持ってると便利。成功すれば地道な聞き込みなど探索の過程がある程度飛ばせるというような場合が多い気がします。
 
《コンピューター》
 ハッキングで情報を無理やり引っこ抜いてくるような時に使うわけですが*15、プログラミングができるので実は非常に幅広い目的で使えます。ルールブックにある用途(ぜひ自分で確認してください)も便利ですが、《電子工学》と合わせて怪しい家を見張るIoT機器など作ってみたり、とにかく応用がききます。リアルアイデアの使いでがあって楽しい技能No.1
 
《鍵開け》
 家に忍び込んだり金庫を開けたりすることがあるため。ただし(隠密捜査しているのでない限り)関係者や大家に鍵を借りられないか問い合わせるなど合法な手段がダメな場合に試すほうが無難なことが多いです。現代が舞台であれば電子ロックを想定して《電子工学》も一緒にとったりします。
 
《機械修理》
 ファンブル修理のため火器技能と一緒にとることが多いです(特に6版)。鍵のタイプによっては《鍵開け》の代用にできたり意外と使える場面があるのでそれなりにとっておいて損はないという印象の技能。
 
《運転》
 カーチェイスが発生する場合はたいてい推奨技能に含まれているので、推奨技能になければとっても趣味程度でスルー。推奨技能をそもそも書いてないタイプのシナリオの場合に持っていく可能性が上がります
 
 

アウトドア

《ナビゲート》
 特に山。高確率で迷います。
 森でも要求されることは多いですが、調査→敵のアジトが森の中にあると分かって踏み込む、というパターンが比較的多く、事前情報の時点でナビゲートが必要になると分かっていることは少ない気がします(体感)。かわりに推奨技能に入っていることも。
 
 高CON
 特に山。雪山(やその他気候が厳しい季節、土地)の場合高確率で迷った上にCONロールで耐久力を減らされるためです。ただシナリオやパーティの面子によってどのステータスを重視するかは変わるので「どっちのステータスにするか迷ったらCONが高いほうをとる」程度ではあります。
 
《追跡》
 フィールドが広く逃げる敵を追いかけるにあたって要求される可能性が上がります。
 
博物学》・《地質学》など自然に関する知識技能
 これ!と一つに絞ることは難しいですが、ちょいちょい使えることがあるので余った技能値の振り先に悩んだらとることがあります。なお夜のアウトドアだと《天文学》をナビゲート代わりに使えることがあります(方角が分かる程度なので地形が複雑な場合には難しいですが)。
 
 

戦闘

 舞台というより、戦闘メインでキャラクターを組み立ててくれと言われた場合の話。
 
 基本的に攻撃技能と《回避》があればよいでしょう。ノックアウト攻撃の関係もあるので一撃は大きい技能のほうがベター(7版はノックアウトにあたってやさしめの選択ルールがありますが選択のため使えるかどうかはKP次第です)。《こぶし》は他にメインの戦闘員がいるか武器を失った場合の補助以上のものにはなりません。
 
  6版、とくに火器の使えない現代日本の場合、武器がなくとも使えてダメージの高い《キック》をとる場合が多いです。《マーシャルアーツ》も悪くはないですが、初期値が低くポイントを多めに消費するので技能ポイントに余裕がある時以外はあまり多くはとりません。逆に初期値の高い《ブラックジャック》に密かな人気があったりします*16
 火器が使える場合は故障ナンバーが極力大きい(99とか00のみとか)ものを選びたいという程度で、あとは射程、ダメージ、1ターンあたりの攻撃回数等から好みで選びます。1ターンあたりの攻撃回数は多いと嬉しいですが普段単発攻撃ばかりしていると複数回攻撃できるのに忘れることがあるので注意が必要。
 
 海外を舞台にしたシナリオ(とくに公式)の場合。火器が使える地域であれば、火器がある前提のバランスになっていることも多いです。戦闘をガチめに考えるのであれば、
火器(遠距離火力)(7版で装甲の再考ルールが適用される卓の場合、散弾を使う銃とそうでない銃両方あるとなお安心)
・銃弾一発につき1ダメージしか効かない、というような敵用の鈍器もしくは高ダメージの素手技能(近接火力)
応急手当・医学(回復、救命)
・火器の種類に応じて機械修理
あたりはすべて揃えたいところです(重めの連射火器があれば銃弾の通りにくい敵でも押し切れることがなくはないです)。
 
 防御に関して。他に優先すべき技能があるから振れない、という場合を除いて《回避》を取ることをおすすめします。受け流しは武器の損耗などもあるので取れるなら回避をとったほうがよいです。7版だと《回避》を高くとってもそこまでアテにならないため、どれだけ振るかは一考の余地があります。KPに相談してもいいかもしれません。
 
 また戦闘担当だとあまりPOWを気にしないかもしれませんが、持っている武器の殺傷力が高いと発狂でコントロールを失った時に痛いのでなるべく高POWにしています(高ダメージの火器を持っていてしかも技能90↑の場合などに限りますが)。味方に自分よりDEX, STRが高く取り押さえてくれそうなPCがいる場合はあまり気にしません。
 

その他

〈ほかの言語〉でよく使われるのはどれ?

 基本的に、ピンポイントで持っていなければ困る言語がある場合は推奨技能としてシナリオから指定があるはずです(指定がないとあまりに候補が多すぎるため)。

 また、ほかの言語は専門家やプログラムの助けの手を借りやすい技能のため、「ないと困る」状況があまりありません(クローズドでは多少あるかもしれませんが、初期値が低く汎用性も低い、高技能値にするのはきわめてコストが高い技能のため、良心的なシナリオであれば普通強く要求されることはないです)。よって、そのような推奨技能がない場合に取るとすれば何語が役に立つか?という話をします。

 

 魔導書を読む目的で使う場合「シナリオに必須ではないがあれば使えるかもしれない」レベルで出てくることが多いのはラテン語・英語です(探索者の母国語が日本語の場合)。さらに、多少頻度は落ちますがよく使われるメジャーな魔導書の言語としてアラビア語ギリシャ語も候補に入るでしょう。個人的な印象としてそれ以外は五十歩百歩です。

 魔導書以外の用途として敵の使う言語が理解できると話が早い場合がありますが、これはもう本当に時代と国次第で、シナリオによって自分で考えるしかありません。事前情報で明確に敵が分かっている場合に合わせてとるかもしれないという程度です。あまりサンプルがないのですが、1920年アメリカのシナリオであればロシア語やドイツ語が使えることがあるという印象はあります。

 ただ言語は本当に候補が多いので、推奨技能でないかぎりはそれなりに趣味的なチョイスが許される技能だと思います(使えるかどうかは別として)。

 多少裏技的ではありますが、シナリオ作者はルールブックやキーパー・コンパニオンといった本の魔導書のデータを見てシナリオに使うものを選ぶことが多いです。よって、そのデータリスト(6版基本ルルブp.105~111など)を眺めて有名な魔導書の言語に使われている言語、出てくる頻度が多い言語をチョイスしてみる、あるいはピンポイントに「この魔導書が出てきたときに読めると嬉しい」なんてところから言語を選んでもよいと思います。

 
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おわりに

 元々「シティシナリオあんまやらないからどういう技能がいるのか分からん」という話題が出た時に自分はこういうの取ってるよ、という話を卓で何回かしていたのでそれをまとめようと下書きしていた記事から発展したものです。
 
  ついでに数字先行でキャラメイクする人間の雑感。
 
 個人的には技能面でのキャラメイクが微妙だと死んでもまあそりゃ死ぬよね程度の感慨しか沸かず、四苦八苦して神話生物に抵抗する過程や死の瞬間の気持ちの落差が楽しめないので、RPの楽しさのためにリアリティを追求するのと同様プレイングを頑張る楽しさのために数値的によりよいキャラメイクを追求しています。
 
 頑張れば頑張るほど上手くいったときガンガンアドレナリン出るし死ぬときもまあやれるだけのことはやりきったしな~、と思って終われる。とくに理不尽感を抱きやすいダイスゲー寄りのシナリオなんかで死んだとき恨みを持たないための自分なりの対策でもあるんですよね。
 
  なによりどんなゲームでもビルドを頑張ったキャラクターがうまく機能すると楽しいものなので、そういう部分にちょっと力を入れて考えてみるのもいいかもよ~、というお話でした。
 
 

編集ノート
 既に掲載済の内容の削除・変更があった場合はこちらに記録していきます。誤字脱字の修正や新たな項目を追記するタイプの編集の場合は記載していません。
 
20210823 7版における信用の重要度についてちょっと見解が変化したので修正しました。6版からリファインされたシナリオでは6版同様に使うし、7版からのシナリオでもあまり6版の時とノリが変わらないな~と思い始めたので6版同様の重要度に変更。考えてみればキャラメイク時の扱いが変わった(&技能の定義とシステム上の扱いが明確化された)だけで技能の中身は変わってないのでシナリオの側が変化しない限りそうそう重要度が下がることはないですね。

*1:プレイングによって解決策を工夫できる度合いが少なく純粋な運勝負で結果が左右される

*2:個人的には特定の技能が「必須」と書いてあるシナリオの時点で信頼できるKPでない限り避けることにしています。「必須(つまりシナリオ進行上絶対に必要)」なのであればそもそもダイスを振らせてはいけないという原則を知らないシナリオはゲームバランスが怖いことが多いです

*3:4人であれば6~8割の実用ゾーンにある探索者が2人はほしいと思ってるので実質9割くらいを目指しているかも

*4:6版p.362の技能カテゴリーではなく、charasheet.vampire-blood.netさんのキャラクターシート内の分類に準じます。おそらくこちらのほうが馴染みのある人が多いと思うので

*5:正直推奨になければ気にしないことのほうが多い。推奨技能に三種の神器って書いてあるシナリオは個人的には黄色信号

*6:7版の場合他の対人技能を選択肢に入れてもよい

*7:火器の使えるシナリオに限る。また射程の概念を省いて戦闘を単純化するKPも多いが、ルール通りに射程の概念がある場合は必要度が上がる

*8:6版のp.41に書いてあるのもそういうことだと思う。純粋に数字上の話をしているというよりほんとに30とか40とかは大して使い物にならんよと言いたいだけかもしれないが

*9:ルールブックを読めば探索者が死にそうになった時機械的に殺してしまう必要はないと分かるのですが、死んだら困るのに殺してしまった……と落ち込んでいる人もよく見ますし気心知れたKP以外はPLの側で自衛できるようにしておくのが無難だと思います。CoCはマスタリングの難易度に対して慣れていないKPが多いです

*10:詳しくはルールブックp.55『医学』p.66『応急手当』p.116-119の一連の戦闘ダメージ関連項目を参照してください

*11:KPがお情けで精神分析(物理)を認めてくれる場合もありますが、ダメージもありますし普通に技能をとるのが無難だと思います

*12:p.66『精神分析』、p.150~165『正気度』を参照

*13:自動成功するアクションを除く

*14:ノックアウトは普通に殺す可能性があります、念のため

*15:《図書館》のようなサーチ技能ではないですよ、念のため。7版では場面を限って《図書館》と組み合わせて使われる場合もあるだろうとの記述がありますが、単体でサーチに使うものではないです

*16:おもに戦闘メインではないPCの自衛手段として