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【TRPG】日程調整でトラブルを起こさないために覚えておくべき原則6選

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知らない人、意外と多い?日程調整の技術

 TRPGを遊び始めるにあたって、ゲームの技術以前に覚えなくてはならないもの──それは『日程調整の方法』です。
 既にTRPGを遊び始めていくらかでも経っている人であれば、日程調整に悩まされて右往左往している人を見たことがある(もしくは、あなた自身が右往左往している)のではないでしょうか?。
 セッションをするには、まず予定をきちんと決めなくてはなりません。日程調整の技術は、セッションの技術以前の問題なのです。しかし、ここで起こるトラブルは後を絶ちません。
 今回は、オンラインセッションで遊ぶ全TRPGプレイヤーに必要な日程調整の方法を見ていきましょう。とくに、これから遊び始めるという初心者さんは必読です。
 今回の記事では、初対面の人がいたり、まだあまり遊び慣れていない人と卓を囲む場合を想定して「なるべくこうしたほうがトラブルがない」というやりかたを書いています。気心の知れた仲間うちではそれぞれのやり方があるでしょうから、随時話し合うことが重要です。ただ、慣れた友人間でも今のやり方でいいのかな~と思っている場合、予定の決め方に不満を持っている人がいるんじゃないかな?と感じている場合には参考にしてみてください。
 

おさえよう、日程調整の原則6選

0.日程調整の流れ

 セッションをするのも日程を決めるのも初めてで、流れが分からないという人向けにまず簡単な説明をします。
 セッションは、事前に日程を決めて募集し、その日に参加可能な人が集まるパターンと、まず人を集めてから予定を調整して日程を決めるパターン(すり合わせ)とがあります(合わせ技として、まず少人数で日程を決め、その日程に遊べる人を追加で募集する場合もあります)。
 すり合わせの場合は、参加者決定後に日程調整ツールでおのおの都合がいい日を入力し、予定が合うところをセッションの日程として確保します。以下はおもにすり合わせで予定を立てる場合のお話をしていくことになります。
 
 

1.予定は可能な限り早く入力する

 候補として提示された期間の予定が既に分かっている場合は、可能な限り速やかに入力しましょう。
 予定が不明な日がある場合、どうするかは2パターンあります。
a. 不明な日を△または無記入などで回答する
b. 不明な日の予定も分かるまで入力しない
 GM(あるいは日程調整の担当者)から指示がない場合基本的にa. 一択ですが、b. でもいいと言われている場合はb. もありです。他の卓と候補期間が被っていて、そちらの卓の日程が先に決まった場合は✕になる可能性があるなど、入力した予定が途中で変わる可能性がある場合は必ず伝えておきましょう。日程決めの候補期間が他の卓と被るとトラブルになる可能性が激増しますので、一つ一つの日程調整を速やかに終わらせ、複数の卓の調整が被らないようにするのが理想です。
 同時並行していると、たとえば
 一つの卓の予定が決まる
 →別の卓に連絡を入れる前にそちらの予定も決まってしまう
 →複数の卓の予定が被ってしまい、謝って日程の再調整(リスケ)を頼まなければならなくなる
 →しかし予定が決まったと思った他の参加者が空いていたところに予定を入れてしまい、リスケの日程がずっと先になってしまう……
 と、ドミノ倒し式に他の人も巻き込んでトラブルが拡大することも珍しくありません。
 
 しかしこれはあくまで理想であり、タイミングによって日程調整の被りは必ず発生します。その場合には被りによる影響を最小限にするよう努めるのが重要です。どのようなスタイルの面子が日程調整に参加しているのかにもよりますが、複数卓の日程調整が同時期に始まってしまった場合は優先順位をつけ、ひとつが決まったら次の卓の調整を始める、ひとつめが長引きそうなら優先順位を切り替えて次の卓の調整を優先にする、というふうにして同時並行で調整する卓を減らすとよいでしょう。
 
 「長引きそうなら切り替えるなんて言っても、他の人がいつ予定入れてくれるか分からないし……」という場合は、聞きましょう。卓によって3日待つか1、2週間くらい普通に待つかは変わりますが、「他の日程調整との兼ね合いがあるので、予定がいつ頃決められるか知りたい」という旨を穏やかに伝えればそう角が立つことはありません。返事がなかったりしてすぐに予定が決められそうにない場合は、他の卓の日程決めのほうを優先していいか聞き、断りを入れてから優先順位を入れ替えましょう。
 複数の日程調整が被った場合は、
1.優先順位を決める(これはあくまで日程調整上の優先順位であって、卓自体の上下ではありません!)
2.優先順位が下の卓には「他に(先に)日程調整している卓がある」ということを伝え、入力を待ってもらうか、後から変化する可能性があると断りを入れた上で予定を入力する。このとき、他の卓の予定はいつ頃決まりそうかも合わせて伝えておく。いつ頃決まりそうかが分からない場合もその旨を伝える。
3.優先順位が上の卓での日程調整が長引きそうな場合、いつ頃決まりそうかを問い合わせ、場合によっては優先順位を入れ替える。このとき必ず「別の卓の日程を優先させてもらうので、入力済みの日程の可否が変化する可能性がある」と断りを入れる。
 のようにすると、関係者全員が見通しを立てやすくなります。
 
 

2.不明部分の予定はいつ決まるのかを伝える

 入力した予定に不明部分が多い場合は、その部分の予定がいつ決まるのかを備考などに書いておいた方がよいでしょう(予定の出ている日だけで日程が確保できそうな場合は必要ないこともありますので、他の人と相談しつつケースバイケースで判断してください)。
 以前参加した卓で、
GM「この日の予定はいつ分かりそうですか?」
PL「ちょっと待ってくださいー」
 で引き延ばした結果、なんとその日の前日まで予定が分からなかったことがありました。
 他の人はその日に予定が入れられないわけですから、予定が分からない状態で引き延ばすのは、実質その日を予定日として確保しているのと同じことです。それなのにセッションがなかったとなると、他の人全員の1日を無駄にさせることになります。もしセッションがあったとしても、予定があるのかないのか分からない状態で他人を待たせるのは迷惑だと思われても仕方ありません。
 しかし、不明部分の予定がいつ決まるのか他の人に伝わっていれば、「さすがに前日までは待てないから、他の部分で日程を確保しよう」「その日ダメだったらダメだったで別のことすればいいし、じゃあ、分かったら教えてもらうってことで」など方針を決めることができます。予定が不明なのは悪くありません。予定がいつ決まるか分からないまま待たせるのが悪いのです。「その日の予定がいつ決まるかすら分からない」という場合も、それを伝えてさえおけば他の人は方針を決めることができます。
 予定が分からない場合は、いつ分かるかを伝える。あるいは、いつ分かるかすらも分からないということを伝える。そして他の人に判断を任せる。これでOKです。何も言わないのが一番悪いと考えてください。
 
 

3.予定が出そろったら、速やかに日程を確保する

 さらにGM(もしくは日程調整担当者)も、全員の予定が出そろったら速やかに日程を決めましょう。こまめに調整ツールを確認できない場合は、最後に予定を入力した人にメンションなどで通知を入れてもらえるように頼んでおくと楽です。ここで滞っている例はあまり見ませんが、早ければ早いほどいいのは間違いありません。
 また、体調不良や急用でセッションが中止になった場合のバッファとして予備日をとっておくのも重要です。私が最近参加したセッションでも、それぞれ別のプレイヤーさんの体調不良&急用で2日分の日程が飛んだことがありました。こんなとき予備日がないと次にセッションできるのが数か月先になってしまう……ということもありえますので、セッションの予定時間に合わせて相応の予備日は確保しておきましょう。
 
 

4.予定を詰めすぎない

 これは日程調整担当者も含めて全員が心がけるべきことですが、予定を詰めすぎないようにしましょう。
 予定を詰めすぎる人によくあるトラブルは、休みがないせいで体調を崩しがちになり、日程の再調整(リスケ)を増やしてしまうこと。TRPGは遊びですが、必要な時間が長く、意外と体力も消耗する重めの趣味です。一度体調を崩すと玉つき事故のようにリスケが波及し、収拾をつけるのが大変になります。カレンダーを見て、「ここで一週間体調を崩したとすると、どのくらい影響があるだろう?何人に連絡して、いくつの卓で予定を調整しなおす必要があるだろうか?」と想像してみるのもおすすめです。「無理そう、考えたくもない」と思ってしまうのであれば、おそらくそれは予定を詰めすぎです。
 また、常に多数の日程調整を並行させることでダブルブッキングなどのミスも発生しやすくなり、こちらもその分だけリスケが増えます。やること(日程調整)が増えるとミスは必然的に発生しますので、「たくさんの日程調整を、ミスをしないように頑張る」のではなく、「ミスが発生する環境を作らないように最初からセーブする」ようにしましょう。
 リスケは自分だけでなく他の参加者にも大変な手間を増やしてしまいますので、無理なく遊べるラインを見極めることが大事です。このラインを最初から把握するのは難しいので、セッションの約束は少しずつ増やすようにして、迷ったら必ず無理を"しない"方向で予定を立てましょう。
 仕事の都合など個人の事情で急な予定の変動・リスケが発生してしまいがちな人もいますが、その場合は事前に予備日を増やしてもらえるかなどを相談してみましょう。
 
 

5.日程調整を担当する人向け、日程が決まりやすくするTIPS

 あまり予定の詰まっていない人を誘うとかいう身もふたもないことは言わずに、なるべく早く予定をとりまとめる方法を考えたいと思います。
 大前提として、「なるべく早く入れてね」「現時点で不明な日は不明って入れていいよ」「不明な日はいつ頃予定が分かるか大体でいいので書いてね、分からない場合も書いてね」など、日程を決める際に手間取らないようやってほしいことはすべて書いておくことです。相手が自分の望むようにやってくれることを期待するのはやめましょう。
 じつは「不明な日は不明と入れる」と書かれていないと、「全部の予定が分かってから入れよう」で引き延ばす人も一定数います。これは意図的に引き延ばしにかかっているというわけではなく、全部予定が分かってから入力するのでもOK、それが当たり前というコミュニティもあるからです。
 「他の予定との兼ね合いで後から可否が変わる可能性がある場合は先に伝えておいてもらう」も重要です。要は上記でPL(日程調整の担当者以外)向けに書いたことをすべて先にお願いしておくのです。参加者全員が上記のような前提を共有しているとは限りませんから、まず自分から伝える。そうすることで日程がきちんと決まる確率を上げられます。
 
 

6.自分の予定がなかなか決まりそうにない場合、どうするか?

 シフトを待っているなどの理由で遅くなる場合は、そのまま「月末に決まります。最速で26日頃、遅ければ31日になるかもしれません」など決まるであろう時期を伝えれば大丈夫です。
 他の日程調整との兼ね合いで待ってほしい場合は、「先に開始しているすり合わせがあるので、1週間ほど待たせてもらっても大丈夫でしょうか?1週間後の○日になってもまだ決まらないようでしたら先方に断りを入れてこちらの予定を優先させてもらえるようにします」など、
・他の参加者はいつまで待てばいいのか
・具体的にどのくらいの期間待てば状況が変化するのか
 を書くとよいでしょう。もしどうしても「いつまで待たせるのか」が分からない、決められない場合も、とにかく一言はその状況を連絡しておくのが大事です。かなり待たせてしまうことになっても、他の人を宙ぶらりんで置いておくことがないように配慮すれば大半の人は分かってくれます。とはいえ、多くの人を予定未定のまま拘束しておくのは難しいので、あまり長期間日程調整を始められそうにない場合は卓に参加できない覚悟もしておきましょう。GMから「今回はお見送りください」と言われても、それは普通に日程調整ができるのに待たされている他の人への配慮に他なりません。
 

まとめ

 日程調整は、目まぐるしい時は本当に目まぐるしいですし、忙しければうっかりしてしまうこともあります。なので普段から「伝助が出たら見た瞬間に入力する」「被った場合後から始まったほうにこのように断りを入れておく」など機械的に手順を決めておくことで迷惑をかける確率を減らせますし、なかなか予定を入れてくれないメンバーにも無言で待つのではなく「いつまでに反応がなかったら聞く!」と決めればモヤモヤが減らせます。
 ままならないものだからこそ、こまめに連絡を入れ合い、融通をきかせあって楽しく遊びたいですね。