一畳ちょっとの二人部屋

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創作や趣味のゲームの話

【クトゥルフ神話TRPG】シナリオの作り方・初級編【基礎から応用まで】

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シナリオを書こう!

 こんなギミックを思いついた。面白い神格を見つけたから出してみたい。この間のシナリオがこんな結末に終わったから同じPCでその後の展開を遊びたい。さあ、いよいよ自作シナリオを書くときですね。
 自作シナリオは、全て自分で考えるため情報が把握しやすく、とっさの改変やアドリブも容易です。つまり、回しやすいのです。さらにそのシナリオをネット上で公開してくれれば、他のプレイヤーも遊ぶためのリソースが増えて一石二鳥です。いくつかのポイントを抑えればそう難しくはありません。さっそくチャレンジしてみましょう。
 まずはp.147「シナリオの構成」、p.148「プロットの例」を参照のこと。クトゥルフ2015サプリにはシナリオグラムもあります。
 
 とりあえずシナリオは書けたけど、これちゃんとできてるのかな?ちゃんとシナリオとして成立させるためにはどういうことを気にすればいいのかな?という人は「できたシナリオをチェックしよう」へ。
 
 ※参照ページは特に記載のない限り6版です。
 ※この記事は元々刀剣乱舞卓のwikiのために書いたものなので、前半の例に一部刀剣乱舞の話題が混ざりますが知らなくても全く問題ありません
 
  • シナリオを書こう!
    • シナリオを作り始める前の大前提 
    • 第一の基本技
    • 構造から考えて作る
      •  ①事件の発端を考える
      • ②黒幕にたどり着くための情報の流れを考える
      • ③黒幕とその解決を考える
      • ④演出を付け加える
    • シティシナリオを作ろう
      • シティシナリオは難しい?
      • シティシナリオはPCに逃げられてしまうからやりにくい?
      • 初心者KPとクローズドシナリオ一長一短
    • 少し凝ったシティシナリオの例
  • できたシナリオをチェックしよう
    •  シナリオチェックリスト
      • クリア報酬の設定について
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【クトゥルフ神話TRPG】脱初心者のためのちょっと洗練されたPL発言

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ちょっと洗練されたPL発言

 ルールも大分把握できてきたし、最近はかなり余裕をもって探索できるようになったんじゃないかな?と自負しているPL向け。
 こういう行動ができてるとちょっと慣れてるPLっぽい!かっこいい!と個人的に思う(でも自分もなかなか実行できてない)ポイントを挙げておきます。
 
 基本的に、初心者のうちは自分がどう動くか?どうRPするか?ということで頭がいっぱいになりがちです。逆に言うと、適度に周りを見て、探索を積極的に進めたり、会話を促したり、連携をとったり、人のフォローができていると慣れてる人っぽくてかっこいいです。TRPGの第一の目的、「GMも、PLも、全員がゲームを楽しむ」ためには、もちろんGMの手腕も問われますが、PLの協力も不可欠です。むしろGMはシナリオの進行という第一の大変な仕事がありますから、PL同士でいかに助け合えるか、いかにGMを助けられるかが楽しく遊ぶ鍵になるかもしれません。
  • ちょっと洗練されたPL発言
    • セッションの流れをスムーズにする発言
    • さりげなく連携をうながす発言
    • 主役になるシーンのバランスをとれる発言

 

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【ココフォリア】オンセ部屋デザインのネタ帳・キャラコマ置き場編【TRPG】

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 オンラインセッションの部屋に配置するキャラクターコマ置き場のデザインでよくある基本的なものを色々と作ってみました。

 
 以前からPCコマの置き場を考えるのが苦手でそもそも置き場を作らないことも多かったのですが、基本的なやつだけでも一度勉強しておけば必要な時にスッと作れるようになるかな~と思いネタ帳として自分用のサンプルを作ってみたので公開します。
 こういうデザインが多い/少ないは完全に自分の体感なので気にしないでください。あと分類はフィーリング。
 コマ置き場だけでなく何かを置くエリアであれば応用がきくと思います。
スマホなどの小さい画面だと一部線の細いものが見づらいかもしれません。
 
  • ライン型
    • 横線
    • 縦線
    • 斜め線
  • フレーム型
    • 四角フレーム
    • 後光フレーム
    • 飾り枠
    • 途切れ+多角形フレーム
    • アングル
    • 隅の三角形
    • 写真フレームなど
  • アイコン型
    • 単体イラスト
  • 地面/椅子型
    • 波紋
    • 椅子
  • カード型
    • 半透明
    • グラデーション
    • ストライプ(太)
    • ストライプ(細)
    • シャドー
    • 半透明+枠
    • テクスチャ
    • 写真
  • 文字型
    • 名前(横書き)
    • 名前(縦書き)
    • 名前+リボン
    • 名前+データ
    • 名前+イラスト
    • 名前+事前配布ハンドアウトなど
  • 配布中無料素材など

 

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【無料~】一畳ちょっとの二人部屋配布物リスト【イラスト素材・TRPG素材・シナリオ】

 

 どこに何を出してるのか自分たちにもよく分からなくなってきたので各種配布物をリスト化することにしました。随時更新(覚えてれば)。
 
  • BOOTH(素材)
    • 【無料6種~】極限までシンプルにした動く装飾枠セット【APNG素材】
    • 【無料6種~】満ち欠けする月と繊細に瞬く星の動く装飾セット【APNG素材】
    • 【無料6種~】極限までシンプルにした動く装飾枠セット!2倍入り!【APNG素材】
    • 【無料34種~】動くシンプルアイコンメガパック【APNG168種+α】
    • 【無料52種~】ハロウィンと魔法の夜のお部屋セット【APNG素材あり】
    • 【無料6種~】金・銀・ローズの豪華な回転装飾セット【APNG】
    • 【無料6種~】広がる波紋と動く水面のAPNG素材
    • 【無料6種~】現在地ここ!の動くアイコン【APNG素材】
    • 【無料4種~】舞い散る花吹雪・紙吹雪【APNG】
    • 【無料7種~】リアルにきらめく宝石APNGセット
  • BOOTH(シナリオ)
    • 【CoCシナリオ】オリオンの三ツ星の災い
  • DriveThru
  • CLIP STUDIO
    • 好きなだけサメを降らせるブラシ
    • 水彩ボケ素材集
      • 無料版 
      • 有料版 

 

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【クトゥルフ神話TRPG】シナリオ『しほぢのまぼろし』ができるまで【RPG Writer Workshop】

 

  ちゃんとホラーシナリオなんです。本当なんです。

 

 前の記事を書いたついでにワークショップで作ったシナリオ『しほぢのまぼろし』ができるまでの過程を(覚えてる範囲で)丸々公開しようと思います。下書きも残ってる部分は全部載せます。他人がシナリオを作る過程に興味のある人がいれば読んでってください。

表紙&本文はこんな感じ。
 

しほぢのまぼろし表紙

しほぢのまぼろし本文サンプル

 下書きから直接本文になった箇所もあるので下書きとして残っているのはかなり途切れ途切れですが、初期構想からの変遷が分かるので自分で見てもちょっと面白いです。アイデア発展の過程からシナリオ本文以外の作業についても書きました。
 
 完成品のシナリオDLはこちらから(無料~好きな値段でDLできます)。
 DriveThruの使い方はTwitterで書いてくださってる方がいるのでこちらの方のツリーを参照してください。

 

  以下の部分でシナリオ『しほぢのまぼろし』のネタバレをしています。これからプレイヤー予定のある方は読まないでください。
  • ネタ出し、アイデア発展のきっかけ、リサーチ
  • 下書き
  • イデアの変化
  • シナリオ本文執筆
  • テストプレイと調整
  • 編集
  • レイアウト
  • 画像制作
  • 公開後

 

【クトゥルフ神話TRPG】CoC公式提携のシナリオ講座に参加してみた【RPG Writer Workshop】

ミスカトニック・リポジトリのトップ画像

RPG writer's workshop(Call of Cthulhu path)に参加しました

 

 ケイオシアムがStory telling Collectiveなるところと提携してCoCのシナリオを書いてみよう!の講座をやるよ!って話があったんですよね。
 

 

 しかも7版ルルブ共著者のポール・フリッカーがコースデザインしたって(参加してみたら普通に講師として記事書いてました)。
 
 いや行ってみるしかないじゃん。
 
 というわけで一か月+αのコースに参加してシナリオ書いてMiskatonic Repositoryで出すところまでやってみたのでその備忘録です。講座の具体的な内容からいきなり読みたい方は各日の講座概要メモからどうぞ。
 
 ちなみに完成したシナリオはこちら。

 

総括

 一か月でシナリオ一本(英語だと3,500wordsが目標とあったので日本語だと一万字ちょいくらいのボリューム?)を書き上げてDriveThruで販売するところまでやってみようというコースです。初めてのシナリオ出版をしてみよう!という表題でしたが、かなり広いレベルの人が役立てられる講座になっていると思いました。
 
 一か月で一本出版、という具体的な目標を掲げているだけあって、ステップバイステップで毎日少しずつやるべきアクティビティと講座が公開されます。使うリソースから手順まで全て具体的に書いてあるので、途中でやめさえしなければかなり機械的にシナリオが完成する仕様(シナリオのテンプレがあって埋めていくだけとかそういう仕様ではないです。どこまでサポートされているのかについては記事の続きにて)。機械的というと言葉が悪いかもしれないですが、システム化できるところはシステム化して労力を省き、脳のリソースを最大限創造性に割り振ってシナリオを作ることができるという点で非常に執筆の助けになる方法を学ぶことができました。
 
 シナリオを書くのって、文章を書く作業だけじゃなくてデータ作り、ハンドアウト作り、テストプレイ、デザイン、編集、広報(出版する場合)などなど無数の副次的作業がついてくるんですよね。そのあたりも丁寧に網羅されているところが出版までのバックアップとして強力でした。
 またシナリオを書く作業そのものにもアイデア出しからリサーチ、構造やギミックを考え描写の充実、推敲、などなどいくつかのステップがありますが、これらの具体的な方法論もすべて講座になっています。詰まった時には講座を見直してみる→その通りに手を動かすと詰まっていたところが自然と進む、ということが何度もあり、非常にうまい作りになっていると思いました(なんなら「シナリオ書くのに詰まったらどうするか」という直球の講座もあります)。
 詰まった時に必要なのって寝るか手を動かすかのどちらかしかないんですが、締め切りがあって寝ていられない、いつも寝てて仕上がらないからとにかく仕上げたい!という場合だと手を動かすしかないんですよね。で、手を動かそうにも何をどう動かしたらいいのか……という時の具体的な指針を与えてくれるわけです。とにかくAをやってBをしてみろと。
 机上の空論というか、抽象論からできる限り実技と言えるレベルにまで噛み砕いたコースだったなあというのが総合的な印象で、本当に得るところは多かったです。おすすめ
 
 形式としては全て英語、一日に一~数講座ぶんの記事が公開されるのを読んでその日のアクティビティ(宿題的なやつ)を仕上げていく方式。バッファとして何もない日もあります。
 Discordに参加すると講座の各ステージに合わせて細かく分かれたチャンネルが用意されていて、他の参加者と相談することも可能。メンター的な人がコメントしてることもありました。私はほぼ見てるだけでしたがCoCチャンネルで*1話した人から他国のCoC事情を聞けたりすることもあって面白かったです。時間食うので後半は封印してましたが。
 
 講座の目標として7月末に締め切りを設けて出版することが推奨されていましたが強制とか守れなかったらペナルティーとかそういうのは一切ないです。講座は期間が終わってからも見ることができます。なので単に参加してだらっと眺めるだけでも全然大丈夫なのですが、先に書いた通り実践的であるところに強みがある講座だったので参加するなら合わせて実際にシナリオを書いていくのが一番実りがあるんじゃないかと思います。
 

参加前のレベル

 良かったとは言っても筆者が元々どのくらい書いてるのか分からないことには参考にしにくいと思うので書いておきます。
 きちんと文章の形にしてまとめたことのある自作シナリオは一本あたりオフセ1時間~10時間程度のボリュームのものを40作ほど。どれも自分で回すかほしいという人に個人的に渡す程度で公開したことは一度もないです(そもそもまとまった文章にすらなってないアドリブとかメモ書きで終わるようなやつのほうが多い)。
 ネタさえまとまれば最低でも一日3000字くらいは安定して書けますが、まとまるまでの時間が30分だったり3年かかったりとまったく安定しません。「一日で一本完成させる」と決めれば休日一日でネタ出しから始めて~一万字程度のものを書けるくらい(テストプレイしてめちゃくちゃ直す前提)。
 というわけで、自分が回すという前提であれば一応書いて完成まではもっていける、が他人に見せるものを書くことはほぼない。他人に見せるつもりで直すとものすごい時間がかかる。あと締め切りを設けて書いたこともない。という感じだったと思ってください。
 

目標

 今まで全て我流でやってきたので、シナリオ執筆のための系統だった方法論を学び、自分の執筆スタイルに取り入れる。ネタ出し(というか自分の場合は散らかったネタをシナリオに使えるかたちで有機的に統合する方法)など安定しない部分をシステム化してある程度一定したペースで進められるようになればベター。
 最初から最後までできる限りワークショップの方法論に従い、一定のレベルを満たすシナリオを書く。せっかくなのでミスカトニックリポジトリ(有償でCoCのシナリオ販売するための公式のライセンスです)から一本出してドライブスルーで販売する、というのを目指していました。
 

結果

 8/7日に完成稿アップロード。私生活とかPCの問題とかで後半かなり触れない期間があったのが遅れの原因ですが何はともあれ完成しました
 当初の目標である散らかったネタを(期間内に)まとめる方法を学ぶ、というのは多分やりとげました。というのも、別に直接的に講座から学んだわけではないんですが、講座のスケジュールに合わせてはい次これ、次これ、とやっていくとどの工程もばしっと切り上げるために「今回はここからここまでの範囲の中で書こう」と決めてやらざるをえないので、先に枠を決めてしまうというのがなんだかんだ唯一の方法だなと……まあ薄々分かっちゃいたんですが諦念を得たというか。
 執筆のステージごとにどういう単位で区切っていくとやりやすいかという点は講座によって明確になったのでそこは大きい収穫でした。
 
 今回はインスピレーションがまとまるのを待つといういつものやり方ではなく、手を動かし自分で自分のペースを制御して完成までもっていくことができたので、運を天に任せなくてもシナリオを書くことができた(しかも人生初ちゃんと他人に公開するところまでいけた)という達成感が大きいです。すごーーく楽しかった。私生活落ち着いたらまた次書きます(というか書く分にはいつも書いてるんだけど、また書いたの公開します)。
 
 ついでに新しい課題も見えました。一番は他人に読ませるシナリオ文章を書くのは本当に骨が折れるということ。こういう気楽なブログ記事や小説だと気にしないのですが、ここはそれぞれの卓の求めるバランスやPLの提案に応じて各々自由にやってほしい……という箇所の処理についてどこまで書くかとか、細かい背景事情をどこまで書くかとか(正直よく分からんとこあったら捏造してもらっていいです、どのシナリオでも言えることですがその卓の中で辻褄が合えばいいので)シナリオという特殊な形式ならではの悩みがありました。自分で回すなら回すときにいい感じにアドリブすればいいんですけどね、他人に渡すとなるとね。あと校正を他人に頼めなかったので次からはちょっと考えたいです。
 

 

講座の各日概要メモ

 というわけでここから実際に講座でどういうことをやっていたのか日記代わりのメモから概要の分かる部分を抜粋していきます。
 

2-3日目 準備編

(※1日目に公開されたアクティビティの締め切りが2日目なので2日目から記録が始まっています)
 具体的な目標の設定、使うツールの調査と決定、講座の進行をふまえた予定表とToDoリストの構築、ありうる障害を最初に予測して心構えをしておく……などなど、準備段階ですがかなり細かくやることがありました。どれも普段はなんとなくでやらない場合がほとんどですが、締め切りある場合はちゃんとやるとやらないで全然違ってきますよこれ。本当に(と後で実感)。
 

4日目 アイデア出し&ムードボード

 ブレインストーミングでより多くのアイデアを出す重要性と具体的なネタ出しの方法について。最近ネタ出しに使ってる方法だとさっぱり思いつかなかったのでレッスンにあった方法を素直に試しました。データブック(ルルブのデータパートやマレモンなど)はすぐにアイデア出るけど安直かなあとかいう謎の思考から最近避けてたけどアイデアの数を打つ時はやっぱりこれですね。他にも色々あったのでそれぞれに合う方法が見つけられるんじゃないかと思います。
 
ミニ講座
 ムードボードやシナリオをイメージした音楽のプレイリストなどを作ってみよう!という講座。モチベ維持のために意外と大事なんだよ~という真面目な話をしていました。シナリオやPCのテーマソング設定する人はけっこういる気がするけどムードボードはあんまり見ないよね(著作権の関係で他人には見せてないだけかもしれないですが)。
 

5日目 Living Document

 Living Documentを作る。この語はちょっと相当する日本語を思いつかないんですが、しいて言うならキーパー情報とかデータとか全てひっくるめたシナリオ本文。あえて訳すなら「随時更新文書」とかになるのかもしれないですが、要は本番のシナリオを書いていくための文書ファイルを作ろうということ。
 真っ白なところから書き出そうとして手が止まるのを防ぐためにシナリオ本文のフォーマットを整備しようという感じでした。
 

6-7日目 アクセシビリティ

 Accessibilityについて。視覚障害がある人のためにスクリーンリーダーを使って読み上げやすいPDFを作るだとか、色覚異常の人にも読みやすい版面を作ろうといった話題でした。最近ユニバーサルデザインの一環で色覚異常への配慮はけっこう耳にするようになってますがディスレクシアとかにまで言及があったのはさすがでした。スクリーンリーダーが使えると別の作業しつつ読み上げでシナリオを聞いて確認したいというような場合にも使えるので、きちんとやれば万人にとって嬉しいPDFが作れるというわけですね。画像の代替テキストの書き方などもありアクティビティでしっかり練習しました。
 

8日目 ミスカトニックリポジトリについて

 6日目まではD&Dコースと共通の内容だったのですがここからCoC固有の内容に分かれました(また後日共通の部分も入ってきます)。
 この日は単純にミスカトニックリポジトリのガイドライン読め、という話でした。いやなんかね、権利的に出していい神話生物とか結構細かく読んどかないとまずいところあるんですよねこれ……。Discordもこの話題ではかなり賑やかだったような気がします。私も完璧に読めてる自信ないのであかんかったらまた出直します。
 ちなみに規約関係の話だけではなく、レイアウトの配布テンプレを確認してみようとか(日本語版はリンクがなかったので無いと思い込んでましたが最終盤になってどうしてもテンプレ確認しないといけない箇所が出てきて発狂してた時に偶然発見)Miskatonic Repository Additional Guidelinesのほうに載ってる商用利用無料の素材のあるサイトを探検してDLしてみようとかD&D共通の講義にはなかった準備段階その2的な内容も。
 

9日目 CoCのアイデア

 3日目のブレインストーミングの項でアイデア出しについては一度やったわけですが、CoC固有のアイデアについての講座がもう一度。ここのアクティビティはもう少し自分で発展させればシナリオのアイデアを涵養するのにいいフォーマットを作れる気がします。
 

10日目 障害

 アドベンチャーデザインにおける障害の種類について。これは自分でもっと詳しく具体例から何から色々分類して並べてあるネタ帳があるので流し見してアクティビティを一応やった程度ですが、自分ってあんまり人間の障害を活用しないなぁと気づきました。対カルトのシナリオもそれなりにあるんですけど、CoCだとどうしても神話生物とか呪文とかいじくってるほうが面白くてね……。
 

11日目 シナリオの構造

 CoCシナリオの構造について。形式上の構造(シナリオの背景とか導入とかNPCリストとかこういう項目をこういうふうに作ってね~)からシナリオ自体の構造を作る時の注意点まで非常に有用な回でした。とくに形式上の構造についてはいちいち自分で既存の公式シナリオ見て真似てとやるよりリストアップしてくれてるのを見ながら書く方が断然楽だったので実にありがたい記事でした。他人に読ませるための機能的な文章書く時に大事なのってなんだかんだ形式だよね。論文とか。
 シナリオ自体(ストーリー?)の構造については、目新しい内容があるというよりなるほどポール・フリッカー氏はこういうところに気を付けてほしいんだなというのを読むことができて面白かったです。フローチャート作るほどの流れがシナリオになかった(当初)のでフローチャート作りはサボった。
 

13日目 リサーチ

 リサーチについて。リサーチの必要性とやり方についての簡単な総説だったのでとくに新しく学ぶことはないかな~などと思ってたんですが、読んでてなるほどな~と思うところもあったのでちょっと気合入れてやりました。
 

14日目 シナリオテキスト

 CoCのシナリオテキストについて。かなり充実したレッスンでした。
 シナリオ中に出てくるさまざまなテキストの種類とその書き方、考え方、CoCのシステムにのっとった簡単なスタイルガイドのようなものまで。シナリオテキストは技術文書であるという点は常々意識していかなければならない点だと思いました。
 

15日目 NPC

 NPCの作り方について。これも非常に気合の入った回だったんですが、NPCに強いキャラクター性があるのがあまり好きではなくて無味無臭にしがちな自分にはけっこうなチャレンジでした。今回は自分のやり方ではなくコースの方法論に忠実に従ってやるのが目標なので色々と考えてみることに。
 NPCがうっとおしいのはキャラクター性のあるなしとは無関係でPCの活躍や達成感を奪う立ち位置に出しゃばってくる場合だけだと分かっちゃいるんですが、どうしても書き割りの舞台装置になってしまうのでもう少し中庸でいきたいですね。
 

16日目 悪役

 敵(悪役)の作り方について。アドベンチャーデザインにおける障害のレッスンを一部引き継ぎさらに発展させた内容。効果的な悪役を作り上げるためにこういう項目を埋めてみようというような便利なフレームワークもあったので人間のヴィランが出てくるときはぜひ使ってみたいと思いました。
 悪役も要はNPCであって作りこむのが苦手、というかそもそも作りこむ必要性をあまり感じていなかった(あるいは無視していた)分野なのでこの課はまたあらためて取り組む必要がありそう。
 

17日目 ハンドアウト

 CoCのハンドアウトの作り方について。プレロールドキャラクターの事前配布設定という意味だけじゃないですよ。プレイヤー配布資料全般のことです。マップやイメージ画像なども含。
 この時点で必要なハンドアウトについてあまりイメージが固まってなかったのでアクティビティでごりごり書き出したのがかなり執筆を進める助けになりました。
 

18日目 スランプの抜け出し方

 CoCの執筆に行き詰まった時の抜け出し方について。これでもかというくらいスランプ脱出のための方法が書かれていて正直ものすごく役に立ちました。
 自分がやっているのはリサーチ用の資料を余計に読む、他人のシナリオを読む、人に相談する、断片的な単語でもいいので思いついたことを片っ端から書く、くらいでしたが他にも色々とやり方があるものだなぁと。この日のレッスンのおかげでさらに執筆が進んだし新しいイベントも生えました。
 

21日目 描写

 雰囲気づくりのための描写の重要性とどんな描写を書くべきかということについて。機能的文章としての観点からシナリオに必要な描写について解説がありました。
 あまり長い詩や小説のような文章だととくにオフセで読み上げるにはちょっとう~んだし、無いと味気ない。簡潔だけど効果的な描写が必要なんですよね。どのような観点から文章を磨くべきなのかということについてあらためて考えさせられたレッスンでした。
 

22日目 テストプレイ

 テストプレイについて。テストプレイのやり方、フィードバックの受け方などについて基本的なところからしっかりとした解説がありました。テストプレイ中の進行については自分もやり方がふわふわしていた部分があったのでアドバイスを取り入れてみました。
 

23日目 編集

 編集作業について。編集者の仕事についてかなり詳しい説明があり、個人出版であってもフリーランスの編集者などを雇うことが勧められていました。外注作業にかかるセクションがあると思ってなかったので驚きましたね。料金の目安や編集者との協働の仕方など(英語圏向けですが)具体的に載ってて興味深く読みました。
 自前で校正する場合についてもちゃんと書いてありましたが、いずれにせよクオリティのために本文を書く以外の作業にもしっかり力を注ぐというスタンスのようです。
 

24日目 表紙デザイン

 表紙のデザインについて。一記事だけなのでさすがに最低限でしたが各種リソースの紹介、色やフォントの扱いについて解説あり。どの日の講義もそうでしたが、何故この項目をコースの中でとりあげる必要があったのか、それに時間を割くのがいかに重要かということが非常に丁寧に書かれていてどれも気を引き締めてかかろうという気分にさせてくれるのが地味にいいところだと思いました。
 別の記事で外部のかなり詳しいサイトが紹介されていたりしたので(長すぎてまだ全部読めてないくらい)、そういった追加のリソースで十分すぎるくらい補完できたと思います。
 

25日目 ページレイアウト

 ページレイアウトについて。表紙デザインと比べてかなり具体的な内容がありました。追加の講座にもレイアウトに的を絞ったものがあったので基本的な内容はほぼ網羅されていたのではないかと思います。
 DLしてそのまま使えるテンプレートなんかもあり。
 

26日目 マーケティング

 マーケティングについて。これも編集のように色々な種類のマーケティングについてきちんとした説明と基本の方法論があり、一言で言うとちゃんと戦略的に宣伝しろ!!っていう内容でした。ブログとか書くのもいいらしいので自分はとりあえずこの記事から。次の3か月間にわたってちゃんと宣伝しろって言うアクティビティなんですよ。3か月……?
 

27日目 クリエイターのコミュニティに参加する

 前半はゲームにおける心理的安全性を確保することについて。トラウマティックな内容についての警告(content warnings)やプレイ中に使うセーフティーツールについてですね。そのうち記事書こうと思って2年くらい放置してるな。
 後半はチーム制作(というか仕事としてのシナリオ制作)に参加したい人に向けての詳しいガイドなど。これから本格的にシナリオライティングの業界に入っていきたい人に向けての案内という感じでした。英語圏のコミュニティ向けですが基本的には万人に通じる内容なんじゃなかろうか。こういうのがちゃんとテキスト化されてるあたり業界を作る、コミュニティを作るという業界全体のはっきりした意識が見られていいですね。
 

31日目 まとめ

 まとめとして最後に各種プラットフォームでの出版の方法が案内されて終わり。有償シナリオにした場合はワークショップのバンドルに入れて色々広告してもらえるということで有償にすることが勧められてたんですが日本語シナリオほぼない環境で英語のバンドルに入れてもな……ということで今回はPay What You Want(買い手が任意で値段設定可、無料もOK)にしました。
 レッスン本体に加えてペップトークなどの追加コンテンツが公開される日もありましたが本筋には関係ないので割愛。あとRPG Writer Workshopの参加者に自動的に公開されるリソース集もあり、これが普通に一講座になりそうなくらいの文量がありました。ワークショップの各工程で扱った内容(ストーリーデザイン、マップデザイン、世界観デザイン、ゲームメカニクス、アイデア出し、アクセシビリティ、レイアウト、等等……)についての外部リソースが案内されていてより深く知りたい人向けに講座の内容を補完してくれるというわけ(D&D向けが多いですがCoCにも応用できるものはあります)。とてもじゃないですがすぐに全部見られるような量ではないのでこれからまたゆっくり勉強していこうと思います。
 

 おわりに&成果物について

 というわけで、長い記事でしたがお付き合いありがとうございました。
 それでこの講座を経て一体どういうシナリオができたんだ?と気になる方はよかったらDLしてってください。Pay What You Wantなので無料DLも全然OK、もしこの記事が面白かったら投げ銭代わりにでもいくらか値段設定してくださると喜びます。
 

www.drivethrurpg.com

 新規継続不問の短時間シナリオってやつなのでお気軽にどうぞ。

 

 DriveThruの使い方についてはTwitterで解説されてる方がいるのでこちらを参考にすれば登録→DLまでいけます。

 

 

*1:D&Dのコースもあってどちらかというとそっちの参加者がメイン