一畳ちょっとの二人部屋

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創作や趣味のゲームの話

【クトゥルフ神話TRPG】1920年代アメリカで遊べるジャズエイジサプリ【職業140種】

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 1920年代のアメリ、いわゆるクラシックの時代、ジャズエイジで遊びたい場合にぴったりのサプリメントを紹介する。
 当時の時代情勢、技術、文化、職業などが網羅され、特に職業は圧巻の140種類掲載。分割pdfでセール時に買えばだいたい3$台(通常時でも5$台)でこれだけの職業データを手に入れることができる。
 
 なに、英語は読めないって?ご心配なく。そんなあなたのために、英語サプリを読みたい人のための職業技能単語集も用意した。これと照らし合わせれば職業名および職業技能のデータは完璧に読めることをお約束しよう。

 82種類の火器データや日常のアイテムを武器にする場合のデータリスト*1など英語の文章が読めずとも名詞の単語をちょいちょい翻訳するだけで理解できる部分も多く、活用できるのは職業データにとどまらない。

 合本版pdfもセール時は5$台、通常時ですら9$弱のため、掲載されている情報量に対して非常にお買得の一言。1920年代に役立つサプリを探しているならぜひ購入を考えてみてほしい。
→DriveThruの購入ページへ(支払いはクレジットカードおよびPayPalなど)
 分冊版pdf vol.1(武器データの掲載はこちら)
 分冊版pdf vol.2(職業データの掲載はこちら)
Amazon.jpの購入ページへ(パラパラ眺めるのに便利な合本版の紙版)
 
 以下に詳しい内容を紹介していく(ページ表記は紙の合本版に準拠します)。

 

ジャズ・エイジ概観

AN OVERVIEW OF THE JAZZ AGE
p.6~12
 
 社会情勢、禁酒法とギャング、大衆娯楽、1920年代のワードローブなど、まず時代の大まかな雰囲気を掴むための概論を掲載。
 さらにミニコラムとして
Songs of the 20s
Films of the 20s
Sports of the 20s
Books of the 20s
の4つがある。
 各1/3~1/2ページ程度の小さなコラムだが、歌、本、映画は一年ごとにその年の有名作が載っており、舞台となった年に合わせて「店内では最近発表されたガーシュウィン*2の新曲、"I Got Rhythm"が演奏されている」だとか「このPCはチャップリンの『黄金狂時代』に感銘を受けて映画監督を目指している駆け出し映画クルーです」だとかKPとしてもPLとしても時代感を出す小ネタとして活用することができる。
 

1920年代年表

CHRONOLOGY OF THE TWENTIES
p.13~14
 
 1920~30年間の世間情勢やビッグニュースを一年刻みで解説。ミッキーマウスのデビュー年なんかもあり。
 

探索者をプレイする

PLAYING AN INVESTIGATOR
p.16~17
 
・キャリアと財産
・友人と家族
・協力者
・引退
 
 などなど、探索者引退までの人生設計についてリアリティをもってキャラクターを掘り下げるヒントが書かれている項。
『遺言を書く』という項で探索者が遺言を残す際の法的手続きについてちゃんと書かれてるのがなかなかキマッてて好きです。そのうち書きたい。
 

1920年代の職業 

1920s OCCUPATIONS
p.18~57
 
 140種類の職業掲載!
 
 各職業の技能のみならず社会的地位、経済状況、社会的コネクション、任意で採用できる特徴が掲載されている。
 特徴は「CONとSTRが+1、自分の農場を持っていれば信用に+20」といったものから「初期SAN値から-20、普段から半発狂状態のかわりに一時的発狂に耐性がある」のようなユニークなものまで。
 職業の詳細については、職業名が分かれば日本語でも調べられるが本の説明文もそう難しい文章ではないのでDeepL等の自動翻訳で十分把握できる。長めの解説文のある職業でいくつか試してみたが大意把握に問題はなかった*3*4
 
 表題から想像される各種スタンダードの職業はもちろん、バラエティ豊かな周辺職業が見どころだ。個人的にはほしい技能に合わせた職業を細かく探せるのが一番いいところだが、時代性があり思わずロールプレイしてみたくなってしまうようなワクワクする職業がたくさん見られるのも魅力。大分類の表題および表題から分かりにくい周辺職業やマイナー職がある場合は合わせて紹介。
 
 
冒険者と命知らず
 表題の冒険家に加え飛行士、レースドライバー、トレジャーハンターなど
芸術家
 創作者とパフォーマーの二分類。前者は通常の芸術家職各種に加えて写真家など、後者はジャズ・ミュージシャンやエージェント、映画クルーなども
アスリート
 各種プロアスリートの他コーチやトレーナーなども
ビジネス
 エグゼクティブ、秘書、株式仲買人など。
 ちなみにここに掲載されている会計士の職業技能はコンパニオン掲載のものとは違い、『Accounting, Accounting, Accounting, Credit Rating(経理経理経理、信用)』となっている。経理のしすぎで発狂したのだろうか(この項を執筆した人が)。
聖職者
 神父と牧師が分かれているなど細かい職業分け、またカリスマカルト指導者やラビなんかも
犯罪者
 各種詳細に分類された犯罪者のみならずギャンブラー、スパイなども
報道
 各種ジャーナリストのほかコラムニストやラジオアナウンサーなど
労働者
 地方および都市。鉱夫やカクテルウェイトレスなど
法執行機関
 各種警察、探偵や法医学専門家、保安官なども
法曹
 法曹三職に加え保釈保証業者
医療職
 内科と外科が分かれた医師職に加え、ナースや技師なども
精神保健職
 医療職からは独立
軍事
 正規軍の職業のみならず傭兵なども
政治家
 大使や大物政治家なんてのもある
研究職
 学生なども含む
その他
 フラッパー、墓掘り人、司書など15種
 

1920年代の技能

1920s SKILLS
p.58~68
 
 大部分はルールブックと同じ技能(のうち20年代に存在しているもの)だが、時代に合わせた詳細な解説(当時の一般的な応急手当セットには何が入っていたのか?当時の電気修理の技術レベルではどんなことができたのか?当時の《組み付き》のプロフェッショナルといえば?当時の高跳び(《跳躍》)の人類最高記録は?当時のオカルト界の情勢や有名書は?)がついているのが嬉しい。
 

調査と情報源

Research&Resources
p.70~79
 
・公的記録
・新聞
・図書館、博物館
 当時使えた情報提供機関とその提供サービス(新聞の切り抜きサービスなど)について。
 当時のアメリカにおける情報調査手段がこれでもかと並べられ、探索者のリサーチライフが充実すること間違いなし。もちろんミスカトニック大学オーン図書館もある。
 (そこまで使うかどうかは別として)圧巻なのが見開き2ページ一面の当時の国・地方別新聞紙一覧で、なんと日本の朝日新聞毎日新聞も載っている。アメリカは州ごと、それ以外の地域(アフリカとオセアニアを除く)は国ごと。
 
 また探索者が助言を求めて訪ねうる「専門家」の3ページにわたるリストがあり、エドガー・ケイシーニコラ・テスラなども掲載されている。
 

交通と旅行

TRANSPORT&TRAVEL
p.80~94
 
 短距離&長距離の交通機関、当時の道路交通&旅行事情について。
 アメリカ国内の自動車およびバイクブランドやその商品の解説&各種車両データ(クーリッジの乗っていたキャデラック314の値段、座席数、HPは?当時のハーレー・ダビッドソンの販売モデルは?)、その他陸海空の移動手段、航空機メーカーや航空機の機種、またそれぞれの性能などなど。航空機のナビゲーション技術についてのコラムなどもあり、当時の交通とその技術についてセッションの細部を詰めるのを助けてくれる充実の内容。
「フォードのモデルTじゃマフィアとの銃撃戦には耐えられなさそうだし、頑張ってビュイック買わない?」とかいう会話ができる。
 

装備と武器

Equipment&Arms
p.95~114
 
 装備パートは探偵の使う鍵開けセットの値段、カーバイドランプ/ガスランタン/懐中電灯などの当時使えた照明器具、写真機や録音機についての詳細など1920年代の探索者に役立ちそうな各種装備の情報を掲載。
 
 ただページ数的に言えば9割は武器情報である。
 各種の棍棒やナイフは当然のことながら海中で使える武器、剣、槍、ブーメランやチャクラム、ヌンチャク、手裏剣のようなマイナー武器のデータもあり。
 個人的に重宝しているのが即席武器のデータで、ノミ、バール、鎌のような工具、農具類から、本棚を倒して下敷きにした時のダメージ、フライパンやレンガ、ガラスのコップで殴った時のダメージなど日常のアイテムで戦う際に使えるデータが満載。
 なお当然のことながら最も充実しているのは火器データで、当時使えた拳銃/ライフル/ショットガン/マシンガンのデータが合わせて圧巻の82種類(ダメージなどの詳細なデータはp.112,113のテーブルと照らし合わせて決定する*5。ルールブックと違い、メジャーなものやおすすめの型番にはそれぞれしっかり解説がついている。ちなみに日本からも三八式歩兵銃、二十六年式拳銃、南部式拳銃が登場。
 1920年アメリカでのドンパチを満喫したいあなたに十二分に応えてくれるだろう。
 

プロフェッショナルとしての探索者

The Professional Investigator
p.116~119
 
 アマチュアとしてではなく、私立探偵のように依頼人と契約したりライセンスを入手した上でプロフェッショナルとして事件の捜査にあたるための方法が書かれている。
 また犯罪現場を調査するための具体的な技術、聞き込みの技術など探索の精度と解像度を上げる話題が満載。
 

1920年代の法科学技術

1920s Forensic Arts
p.120~125
 
 クラシックの時代を遊ぶ上で悩むのは、やはりなんといっても「この時代にこの技術はあったのか?」という点だろう。このセクションでは、ガスライト(1890~)の時代から1920年代にかけて用いられていた犯罪捜査技術とその発展について非常に詳しく書かれている。
 前科のついた犯人はどのように登録されていたのか?人間の血の染みを識別することはできたのか?それにはどのような技術が用いられていたのか、探索者がそれを使うことはできるのか?様々な物質を同定する方法は?当時の医者にはどの程度の検死技術があったのか?指紋はどのように使われていたのか?弾道学は?写真術は?当時の検死官はどのように働いていたのか?死因審問の進め方は?死体は死後どのように変化していくのか?……などなど、科学技術上の話題から警察のシステム面まで幅広くカバーしている。
 死体や警察捜査のあるシナリオを回すKP、あるいはそういったシーンのあるシナリオを書きたいシナリオ製作者にとって非常に役に立つセクションであることは間違いない。
 
 

おわりに

 各種英語のルールブックやサプリはChaosium公式DriveThruRPGなどからpdfで安価に入手することができる(高くはなるがもちろんAmazonなどで紙版を買えるものもある)。
 そのようなサイトでは日本語版で5000円を越えるようなサプリが3分の1、セール時にいたっては5分の1程度の値段で買えることも普通なので、この1920ICのようにデータの多いサプリは英語版を買ってみるのも手だ(というか1920ICに関しては日本語版がないのだが)。
 DriveThruRPGはFacebookログインが使え*6PayPalで支払いできるので比較的気軽に利用できるオンラインTRPGストアだ。データ集、シナリオ、ランダム表などで無料配布されているものも多い。何より日本語ではなかなか読めない地域・時代の様々なサプリが目白押しだ。ガスライトやジャズエイジに興味のある方は一度覗いてみてはどうだろうか。
 
 ↓DriveThruの購入ページへ(支払いはクレジットカードおよびPayPalなどが使用可能)
 分冊版pdf vol.1(武器データの掲載はこちら)

 

 分冊版pdf vol.2(職業データの掲載はこちら)

 

 合本版pdf

 

Amazon.jpの購入ページへ(パラパラ眺めるのに便利な合本版の紙版)

 

*1:vol.1掲載

*2:もちろん『ラプソディ・イン・ブルー』のガーシュウィン

*3:例外は軍隊の階級などの状況によって大きく訳語の変わる名詞だが、厳密にこだわるのでない限り問題はないだろう。厳密にしたい場合はアメリカの軍制の歴史を日本語で調べればよいと思われる

*4:pdfのコピペが行の折り返し部分で切れて訳しにくい場合はChrome拡張のPDF Viewerで開いたものからコピペするとよい

*5:データを見る方法が少々分かりづらいかもしれないので、ひとつ例を挙げておく。

p.110の表の下から5つ目、Winchester M1887 Lever-Actionのデータを調べてみよう。
まずGauge(口径)を見ると、10/12とある。この場合10-gaugeでも12-gaugeでも好きなほうを選んでよい。Shotgun Damage and Base Rangeの表からLarge Gaugeの中にある10/12-gaugeを探す。
今回は10-gaugeを選ぶことにするが、ショットガンには2種類の弾丸がある。slug(スラッグ)でもbuckshot(バックショット)でも、ダメージと射程を見比べ好きなほうを選ぶ。
buckshotを選ぶ場合はさらに基本射程と威力の違う3種類があり、今回はなるべく近距離で高威力を狙いたいので4D6+2、基本射程10ヤードの10-gauge buckshotを選んだ。
次にRate of Fire(1ラウンドの攻撃回数)の表を探す。10-gauge buckshotはLarge GaugeなのでRifles and Shotgunsの下にあるLever-Action内のLarge Gaugeを見る。Rate of Fireは1(3/2)だ。普通は1ターンに1回だがKPの同意があれば75%以上の高技能者はカッコ内のレート、つまりこの場合は2ターンで3発撃つことができる。
Reloading Times(リロードにかかる時間)はSide-Loadingなので1ラウンドあたり2カートリッジだ。
最後にMalfunction Table(故障ナンバー)のLever-Actionの部分を確認し、Clean(きれいな状態)、Neglected(手入れがおろそかな状態)、Dirty(手入れされていない状態)それぞれのナンバーを確認して終了

*6:もちろん普通にLog In→New Accountからメールアドレスを登録してアカウントを作ることもできる

海外サプリを読みたい人のためのクトゥルフ神話TRPG英単語集<技能編>

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 英語の海外サプリにデータがいっぱいある!読みたい!でも用語が分からん!!というあなたのための英単語集。CoC7版ルールブック、7版探索者ハンドブック(未訳)、6版探索者コンパニオン(未訳)に掲載されている技能の英語⇔日本語対照表です。
 調べたい単語でページ内検索(Ctrl+F)すればそのまま出てくると思いますが、複数語の組み合わさった用語は一発で引っかからないかもしれません。その場合は用語の一部の単語だけで検索してみてください("one interpersonal skill"で引っかからなかった場合はinterpersonalもしくはskillだけで検索してみるなど)。
 
 このリストは(新)クトゥルフ神話TRPG日本語版ルールブックと訳語を揃えており、一般的な訳語とは異なる可能性があることをご了承ください。日本語版のないものについては説明文から適当であると思われる訳語を記載してあります。また、ゲームにおいて使用する技能名としての訳語ですのでその点においても一般的な訳語とは異なる可能性があります。
 筆者が英語版を持っていて日本語版を持っていないサプリの場合、公式から出ている日本語版と訳語が違う可能性があります。その場合公式の日本語版と同じ訳語を使う必要があるかどうかはKPに聞いてください。

 単語参照元

A

Accounting
Acting 例:Art/Craft (Acting)
演劇
Aircraft 例:Pilot (Aircraft)
航空機
Alpine 例:Survival (Alpine)
高山
Animal Handling
動物使い
Anthropology
人類学
Appraise
鑑定
Archaeology
考古学
Arctic 例:Survival (Arctic)
極地
Art/Craft, Art and Craft
芸術/製作
Artillery
Astronomy 例:Science (Astronomy)
Auto 例:Drive Auto
自動車
Automobile 例:Drive Automobile
自動車
Axe 例:Fighting (Axe)
 

B

Barber 例:Art/Craft (Barber)
理髪
Bargain
値切り
Bayonet
銃剣
Biology 例:Science (Biology)
生物学
Block
ブロック(各種スポーツ競技においてパスやシュートなどを防ぐ)
Boat 例:Pilot (Boat)
船(※日本語でいうところのボート=rowboatに限らない)
Botany 例:Science (Botany)
植物学
Bow 例:Firearms (Bow)
Brawl 例:Fighting (Brawl)など
格闘
Bus 例:Drive Auto/Bus
バス
 

C

Calligraphy 例:Art/Craft (Calligraphy)
書道
Carpenter 例:Art/Craft (Carpenter)
大工仕事*1
Carpentry 例 Art/Craft (Carpentry)
大工仕事
Chainsaw 例:Fighting (Chainsaw)
チェーンソー
Charm
魅惑
Chemistry 例:Science (Chemistry)
化学
Climb
登攀
Club
棍棒  cf. Large Club=大きい棍棒、Small Club=小さい棍棒
Comedian 例:Art/Craft (Comedian)
お笑い*2
Computer Use
コンピューター
Conceal
隠す
Cook 例:Art/Craft (Cook)
料理
Credit Rating
信用
Cryptography 例:Science (Cryptography)
暗号学
 

D

Dancer 例:Art/Craft (Dancer)
ダンス*3
Demolitions
爆破
Desert 例:Survival (Desert)
砂漠
Disguise
変装
Diving
ダイビング
回避
Dream Lore
伝承(夢)
Drive
運転
 

E

Electrical Repair
電気修理
Electronics
電子工学
Engineering 例:Science (Engineering)
工学
English
英語(※英語サプリ記載の職業技能に「英語」とあるときは=母国語の可能性がある。とくに1920ICなど舞台が英語圏(1920ICの場合はアメリカ)であるサプリはその可能性が高い)
 

F

Farming 例:Art/Craft (Farming)
農業
Fast Talk
言いくるめ
Fighting
近接戦闘
Fine Art 例:Art/Craft (Fine Art)
絵画
Firearms
射撃
First Aid
応急手当
Fist/Punch
こぶし
Flail 例:Fighting (Flail)
フレイル
Flamethrower 例:Firearms (Flamethrower)
Forensics 例:Science (Forensics)
法医学
Forensic Surgery
法医学手術
Forgery 例:Art/Craft (Forgery)
文書偽造
 

G

Garrote 例:Fighting (Garrote)
絞殺ひも
Geology 例:Science (Geology)
地質学
Grapple
組み付き
 

H

Handgun 例:Firearms (Handgun)
拳銃
Head Butt
頭突き
Heavy Weapons 例:Firearms (Heavy Weapons)
重火器
Hebrew
Hide
隠れる
歴史
Hook
Hypnosis
ヒプノーシス
 

I

impale
貫通
instrument 例:Art/Craft (instrument)
楽器演奏*4
Intimidate
威圧
interpersonal skill
対人関係技能(one interpersonal skill=対人関係技能から1つ、two interpersonal skills=対人関係技能から2つ)
 

J

Jump
跳躍
 

K

Kick
キック
Knife
ナイフ
 

L

Latin 例:Other Language (Latin)
Law
法律
Library Use
図書館
Listen
聞き耳
Literature 例:Art (Literature)
文学
Locksmith
鍵開け
Lore
伝承
 

 M

Machine Gun 例:Firearms (Machine Gun)
マシンガン
Marine 例:Natural History (Marine)
海洋
Mathematics 例:Science (Mathematics)
数学
Mechanical Repair
機械修理
Medicine
医学
Meteorology 例:Science (Meteorology)
気象学
Morris Dancer 例:Art/Craft (Morris Dancer)
モリスダンス*5
 

N

Natural History
自然史
Natural World
自然
Navigate
ナビゲート
Necronomicon (History of) Lore
伝承(ネクロノミコン)(例えばその歴史)
 

O

Occult
オカルト
One-handed
片手
Opera Singer 例:Art/Craft (Opera Singer)
クラシック歌唱*6
Operate Heavy Machinery
重機械操作
Other Language/Language, Other
ほかの言語
other skills
ほかの技能(any one other skill=任意のほかの1つの技能、 any two other skills=任意のほかの2つの技能)
Own Language
母国語
 

 P

Painter and Decorator 例:Art/Craft (Painter and Decorator)
塗装と装飾*7
Persuade
説得
Pharmacy 例:Science (Pharmacy)など
薬学
Photography 例:Art/Craft (Photography)
写真術
Physics 例:Science (Physics)
物理学
Pick Pocket
スリ
Pilot
操縦
Plumbing 例:Art/Craft (Plumbing)
配管
Potter 例:Art/Craft (Potter)
陶芸*8
Psychoanalysis
Psychology
心理学
 

R

Read Lips
Ride
乗馬
Rifle/Shotgun 例:Firearms (Rifle/Shotgun)
ライフル/ショットガン
Rope(Western Lawmanの職業技能)
投げ縄
Roping(Firemanの職業技能)
ローピング(縄をかけて壁などを登り下りする)
 

S

Science
科学
Sculptor 例:Art/Craft (Sculptor)
彫刻*9
Sea 例:Survival (Sea)
Short Hand 例:Art/Craft (Typing or Short Hand)
速記
Shotgun
ショットガン
Singer 例:Art/Craft (Singer)
*10
Sleight of Hand
手さばき
Sneak
忍び歩き
Spear 例:Fighting (Spear)
槍(投げ槍の場合は投擲)
Spot Hidden
目星
Stealth
隠密
Straight Razor
西洋剃刀
Submachine Gun 例:Firearms (Submachine Gun)
Survival
サバイバル
Swim
水泳
Sword 例:Fighting (Sword)
刀剣
 

T

Technical Drawing 例:Art/Craft (Technical Drawing)
テクニカルドローイング、製図
Tennis Racket 例:Club (tennis racket)
テニスラケット
Throw
投擲
Track
追跡
Tractor 例:Drive Auto/Tractor
ラクター
Truck 例:Drive Auto/Truck
トラック
Two-Handed
両手
Typing 例:Art/Craft (Typing or Short hand)
タイピング
 

U

UFO Lore
伝承(UFO)
 

V

Vacuum-Tube Blower 例:Art/Craft (Vacuum-Tube Blower)
真空管ガラス吹き
Vampire Lore
伝承(吸血鬼)
Veterinary 例:Medicine (veterinary)
獣医学*11
 

W

Wagon 例:Drive Wagon
馬車
Welding 例: Art/Craft (Welding)
溶接
Werewolf Lore
伝承(人狼
Whip 例:Fighting (Whip)
Writer 例:Art/Craft (Writer)
執筆*12
 

Y

Yaddithian Lore
伝承(ヤディス星)
 

Z

Zoology 例:Science (Zoology)
動物学
 

その他職業技能まわりで使われる英語表記

(any) 例:Art/Craft (any)など
・(技能名のあとにカッコ付きで(any)とある場合は)専門分野を選ぶ
・(any ○ other skillという使われ方の場合は)任意の
any one other skill=任意のほかの1つの技能、 any two other skills=任意のほかの2つの技能
訳語は違うが意味は同じ、「なんでも」という意味。(なんでも好きな)専門分野を選ぶ、他の技能のうちから(なんでもとりたいものを=任意で)1つ選ぶ
appropriate 例:Survival (Alpine or as appropriate)
適切な(例はサバイバル(高山、もしくは適切なものを選ぶ))
area(s) of interest 例:four different areas of interest
興味のある分野、関心分野(例は「4つの異なる関心分野」)
as academic specialties
研究の専門として
as academic or personal specialties
研究もしくは個人的な専門として
as personal specialties
個人的な専門として
as era specialties
時代に特色的な技能として
 
e.g. 
たとえば
either (of) X, Y
XかYかどちらか
either of the following 例:either of the following as a personal specialty
以下のうちのいずれか(例は「個人的な専門として以下のうちいずれかを選ぶ」)
employment skill(s)
職業上の技能
era 例:two other skills as personal or era specialties
時代(例は「個人的あるいは時代に特色的な技能としてさらに2つの技能」)
 
field of study
(研究の)専門分野
following 例:two of the followingなど
以下の(例は「以下の2つ」)
 
Occupation Skill Points
職業技能ポイント
or
もしくは
other 例: any four other skills
ほかの(例は「任意のほかの4つの技能」)
others 例: Science (Chemistry and two others)
ほかの(例は「科学(化学とほか(の分野)2つ)」)
 
plus
加えて、プラス
possible 例:plus possible employment skills
ありうる、考えられる(例は「加えて職業上の技能として考えられるもの」)
 
(s) 例:Art(s)
例の場合は芸術技能一つもしくは複数の意。とくにArt(s)以外の職業技能が合わせて6つ以下の場合は芸術を複数種取得してもよいだろう。
skill, skills
技能、技能(複数形)
specialisms 例:plus four specialisms from the followingなど
専門(例は「加えて以下から4つの専門を選ぶ」)
specialist 例:as personal specialties or specialist reading topicsなど
専門家(例は「個人的な専門またはreading topics=記事を読む*13 のspecialist=専門家 として」)
Specializations 例:Art and Craft (Specializations)
専門分野を選ぶ*14
such as~
~のような
 
Uncommon 例:Animal Handling (n%)[Uncommon]
まれ
up (to) 例:up three fields of study
~まで。例は「(研究の)専門分野を3つまで」
 
varies 例:Fighting(Specializations)(varies %)
(varies %とある場合は)基本成功率はさまざま
varyは「変わる、変える」。(ものによって成功率は)さまざまに変わる、の意
 
 

*1:字義通りには「大工」

*2:字義通りには「お笑い芸人、コメディアン」

*3:字義通りには「ダンサー」

*4:字義通りには「楽器」

*5:字義通りには「モリスダンサー」

*6:字義通りには「オペラ歌手」

*7:字義通りには塗装工、装飾家

*8:字義通りには「陶芸家」

*9:字義通りには「彫刻家」

*10:字義通りには「歌手」

*11:字義通りには「獣医」

*12:字義通りには「ライター(職業)」

*13:文字通り単に読み物をするというよりレファレンス技術の一部として資料全般を読む技能の話だと思われる

*14:字義通りには「専門分野」

海外サプリを読みたい人のためのクトゥルフ神話TRPG英単語集<職業編>

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 既存の日本語ルールブックやサプリに載ってない職業データを知りたい!
 英語の海外サプリにデータがいっぱいある!読みたい!でも用語が分からん!!というあなたのための英単語集。CoC7版ルールブック、7版探索者ハンドブック(未訳)、6版探索者コンパニオン(未訳)に掲載されている職業の英語⇔日本語対照表です。
 調べたい単語でページ内検索(Ctrl+F)すればそのまま出てくると思いますが、複数語の組み合わさった用語は一発で引っかからないかもしれません。その場合は用語の一部の単語だけで検索してみてください("one interpersonal skill"で引っかからなかった場合はinterpersonalもしくはskillだけで検索してみるなど)。
 
 このリストは(新)クトゥルフ神話TRPG日本語版ルールブックと訳語を揃えており、一般的な訳語とは異なる可能性があることをご了承ください。日本語版のないものについては説明文から適当であると思われる訳語を記載してあります。また、職業名としての訳語ですのでその点においても一般的な訳語とは異なる可能性があります。
 筆者が英語版を持っていて日本語版を持っていないサプリの場合、公式から出ている日本語版と訳語が違う可能性があります。その場合公式の日本語版と同じ訳語を使う必要があるかどうかはKPに聞いてください。

 

 単語参照元

 A

Accountant
会計士
 
曲芸師/体操選手
 
Actor
俳優
 
Agency Detective
ピンカートン探偵社など組織勤めの)探偵
 
Alienist
エイリアニスト(7版ルールブックp.66『精神分析』を参照)
 
Ambassador
大使
 
Animal Trainer
アニマルトレーナー、調教師
 
Antiquarian
古物研究家
 
Antique Dealer
骨董商
 
Archaeologist
考古学者
 
Architect
建築家
 
Artist
芸術家
 
暗殺者
 
Asylum Attendant
精神科病棟スタッフ
 
Athlete
アスリート
 
Author
作家
 
Aviator
飛行士
 

B

Bail Bondsman
保釈保証業者
 
Bank Robber
銀行強盗
 
Barber
理髪師
 
Bartender
 
Bible Salesman
聖書セールスマン
 
Big Game Hunter
猛獣ハンター(富裕層などにやとわれて高価な動物を狩るハンター)
 
Book Dealer
書籍商、古本屋
 
Bookie
ノミ屋
 
Boss
大物政治家、ドン
 
Bootlegger/Thug
酒類密輸者/ならず者
 
Bounty Hunter
賞金稼ぎ
 
Boxer/Wrestler
ボクサー/レスラー
 
Burglar
泥棒
 
Bus Driver/Streetcar Conductor
バス運転手/(路面電車の)車掌
 
Butler/Valet/Maid
執事/従僕/メイド
 

C

Catholic Priest
(カトリックの)神父
 
Charismatic Cult Leader
カリスマ(的)カルト指導者
 
Charter Boat Captain
チャーター船の船長
 
Chauffeur
お抱え運転手
 
Clergy, Member of the
聖職者
 
Clerk/Executive
社員/役員
 
Cocktail Waitress
カクテルウェイトレス(酒場で飲み物を供するウェイトレス)
 
Columnist
コラムニスト
 
Communist/Radical
共産主義者/過激派
 
Company Officer/Executive
会社役員
 
Computer Programmer/ Technician/Hacker
コンピュータープログラマー/コンピューター技術者/ハッカー
 
Conman
詐欺師
 
Copywriter
コピーライター
 
Cowboy/girl
カウボーイ/カウガール
 
Craftsperson
職人
 
Criminal
犯罪者
 
Cult Leader
カルトリーダー
 

D

Deacon/Elder
助祭/(教会の職制としての)長老
 
Deep-Sea Diver
深海潜水夫、深海ダイバー
 
Dentist
歯科医
 
Deprogrammer
洗脳解除者
 
Designer
デザイナー
 
Dilettante
 
Diver
潜水作業員、ダイバー
 
Doctor of Medicine
医師
 
Drifter
放浪者
 
Driver
ドライバー
 

E

Editor
編集者
 
Elected Official
(選挙によって選出された)公務員、自治体の代表、議員など
 
Engineer
エンジニア
 
Entertainer
エンターテイナー
 
冒険家
 

F

Farmer/Farm Hand
農夫/農場労働者
 
Federal Agent
連邦職員(連邦政府に属する法執行機関の職員、FBIやUSMSなど)
 
Fence
故買商
 
Field Researcher
フィールドリサーチャー、(実地調査をする)研究者。インディ・ジョーンズなどがイメージとして近いのではないかと思われる
 
Film Crew
映画クルー、撮影スタッフ
 
Film Star
映画スター
 
Firefighter
消防士
 
Fireman
消防士
 
Flapper
フラッパー
 
Foreign Correspondent
外国特派員
 
Forensic Specialist
法医学専門家
 
Forensic Surgeon
法医
 
Forger/Counterfeiter
偽造者、贋作者
 

G

Gambler
ギャンブラー
 
Gangster
ギャング
Gangster Boss
ギャングのボス
Gangster Underling
ギャングの下っ端
 
Gardener/Grave Digger
庭師/墓掘り人
英語圏ではこのような表記で墓地の維持管理全般を担う仕事の募集がある
 
Gentleman/Lady
紳士/淑女
 
Golf Pro
プロゴルファー
 
Gun Moll
女ギャング、(ギャングの)情婦
 

H

Hacker
 
Hit Man
殺し屋
 
Hobo
渡り労働者
 
Hooker
(口語で)売春婦
 
Hospital Orderly
(病院の)用務員
 

I

Investigative Journalist
調査報道ジャーナリスト
 
Itinerant Preacher
巡回説教師
 

J

Journalist
ジャーナリスト
 
Judge
裁判官
 

L

Laboratory Assistant
実験助手
 
Laborer
労働者
Laborer, Unskilled
非熟練労働者、単純労働者
 
Lawyer
法律家
 
Librarian
司書
 
Loan Shark
高利貸、ヤミ金業者
 
Lumberjack
 

M

Madhouse Attendant
精神科病棟スタッフ
 
Manager/Coach
マネージャー/コーチ
 
Mechanic (and Skilled Trades)
職工(および専門職)
 
Mercenary
傭兵
 
Merchant Marine
(商船の)船員
 
Middle/Senior Manager
中間/上級管理職
 
Military Officer
士官
 
Miner
鉱夫
 
Missionary
伝道者
 
Mountain Climber
登山家
 
Museum Curator
 
Musician
ミュージシャン、音楽家
 
Musician, Jazz
ジャズミュージシャン
 
Musician, Legitimate
楽家(正統な教育を受けた)
 

N

Nurse
看護師
 

O

Occultist
オカルティスト
 
Orderly
(病院の)用務員
 
Outdoorsman/woman
野外活動家(具体的な職業としては野外ガイドや環境保護職としてのレンジャーなど)
 

P

Painter/Sculptor
画家/彫刻家
 
Parapsychologist
 
Pharmacist
薬剤師
 
Physician
内科医
 
Photographer
写真家
Photojournalist
フォトジャーナリスト
 
Pick Pocket
スリ
 
Pilot
パイロット
 
Plastic Surgeon
形成外科医
 
Police Detective
刑事
 
(Uniformed) Police Officer
(制服)警官
 
Practicing Attorney
弁護士
 
Private Eye
私立探偵
 
Private Investigator
私立探偵
 
Professional Sports Athlete
 
Professor
教授
 
Prosecuting Attorney
検察官
 
Prospector
探鉱者、(本来の意味で)山師
 
Prostitute
娼婦
 
Protestant Minister
 
Psychiatrist
 
Psychologist/Psychoanalyst
心理学者/精神分析
 
Punk
チンピラ
 

R

Rabbi
ラビ
 
Race Driver
レースドライバー
 
Radio Announcer
ラジオアナウンサー
 
Ranch Hand/Cowboy
牧場労働者/カウボーイ
 
Reporter
リポーター
 
Researcher
研究者
 

S

Sailor
船乗り
Sailor, Commercial
(民間の場合)船員
Sailor, Naval
(軍の場合)水兵、海軍軍人
 
Salesman
セールスマン
 
Salesperson
セールスマン
 
Scientist
科学者
 
Secretary
秘書
 
Shifty Accountant/lawyer
悪徳会計士/弁護士(犯罪組織に雇われている会計士/弁護士)
 
Shopkeeper
商店主
 
Skilled Trade/Mechanic
専門職/職工
 
Small Business Owner
中小企業経営者
 
Smuggler
密輸者
 
Soldier/Marine
兵士、陸軍/海軍下士官アメリカの場合)
 
スパイ
 
Stage Actor
舞台俳優
 
Stock Broker
株式仲買人
 
Stage Hand
(劇場の)裏方、舞台係
 
Street Punk
チンピラ
 
Student/Intern
 
Stuntman
スタントマン
 
Surveyor
測量技師
 
Swimmer/Diver
水泳選手/飛び込み選手(1920IC)
 
Switchboard Operator
電話交換手
 

T

Talent Agent
 
Taxi Driver
タクシー運転手
 
Teacher
教師
 
Technician
技師
 
Tennis Pro
プロテニス選手
 
Track and Field
 
Trainer
トレーナー*2
 
Traveling Salesman
巡回セールスマン
 
Treasure Hunter
トレジャーハンター
 
Tribe Member
トライブ・メンバー
 

U

Undertaker
葬儀屋
 
Union Activist
労組指導者、組合活動家
 

W

Waitress/Waiter
ウェイトレス/ウェイター
 
Western Lawman
(西部の)郡保安官もしくは保安官補
 
White-Collar Worker
サラリーマン
 
Writer
作家、ライター(※著述業全般を含む)
 

Z

Zealot
活動家(7版の場合。6版の関連著作では狂信者となっている場合が多いがニュアンス的にもこちらの訳のほうが適当と思われる)
 
Zookeeper
(動物園の)飼育係
 
 

その他の用語

Contacts and Connections
コネクション(その職業の探索者が使える社会的人脈)
 
Earnings
所得
 
freelance/solo
 
Lovecraftian 例:ANTIQUARIAN [Lovecraftian]
 
Modern 例:HACKER [Modern]
現代
 
Skills
技能
 
 

*1:字義通りには「陸上競技

*2:1920ICにおいてはアスリートのトレーナー

*3:字義通りには「ラヴクラフトの」

【クトゥルフ神話TRPG】初心者KPがシナリオを選ぶときにチェックするべき6項目

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 回すシナリオを選びたいが、今の自分にとって回しやすい、あるいは事故を起こしにくいシナリオがどういうものなのか分からない。どこに気を付けて読めばいいんだろう。そんな場合に確認しておくべき代表的な項目を6つ紹介します。

 

 

1.NPCの数や設定の多さ

 NPC多いもの、または性格や設定がびっしり書き込んであるものはKPへの負担が大きいです。慣れないうちはシナリオ自体を避けたほうが無難。
 とくに初心者のうちは気を付けるべき項目です。
 

2.探索者が探索に関わるための動機が用意されているか

 これはうまい導入がシナリオ側で準備されていなかったとしてもPL側が動機付けを頑張ってくれたりで比較的どうにかなる部分ですが、たまに作り直しレベルの大工事をしないと難しいかな……というものがあるので一応チェックが必要。
 基本的には7版p.182~189などを参考にKPとPLの共同作業で導入とその後のモチベーションをデザインしましょう。
 

3.PC視点で探索できる場所が明示されているか、次に行く場所がはっきりしているか

 「次に行く場所」が一か所に限定されている必要はありませんが、移動できる範囲のマップの描写がなければどこに行く選択肢があるのかもわかりません。
 PCの視点で「次はあそこに行けば何かありそうだぞ」という場所がつねに存在するか、シナリオを読みながら頭の中でシミュレートしてみましょう。
 

4.進行上重要な手がかりへの誘導があるか

 メインの導線に関わる手がかりは判定なしで出さなくてはいけませんが、その手がかりを入手できる場所へたどり着けなければどうにもなりません。構造上容易にたどり着けるようになっているか、あるいはNPCや任意のイベントで行先のヒントを出せるようになっているか確認しましょう。
 むろんアイデアロールを使うという手もありますが、あまり乱用できるものでもありません。
 

5.警告や判定なしでのPCにとって不利なギミックがないか

 これは「ギミック」の判定が少々難しいですが(そもそもシナリオはPCを窮地に追い込んでいく性質があるので……)、ひとまずは「警告なしで突然のデストラップ!あるいは強力な敵の出現!回避不可!後遺症!死!」というような「PLには対処の余地がない、あるいは少ないのに著しく不利な結果をもたらす」イベント全般と考えてください。
 

6.リアルアイデアの必要な解決方法やリドルがないか

 まず、「リアルアイデアが必要」と書いてある場合は警戒してかかりましょう。リアルアイデアは事故率ナンバーワンのワードといっても過言ではありません。難易度調整がうまくできているものは非常に少ないです。サイコロ振れば全部情報が出るシナリオでさえ事故るのにリアルアイデアまで必要とあっては事故らないわけがないと思っておきましょう。
 そもそも知識ロールやアイデアロール(7版の場合はINTロール)があるのになぜリアルアイデアでどうにかしなくてはならないのかという点から考えたほうがよいです。リドルについても同様。
 
 
 これらはそのうちKPとして慣れてくればアレンジや誘導の技術を駆使してカバーできるようになります。しかしその場合でも事前に読んだ時点で「ここはどう回すかな」と考えておく必要のあるポイントです。実際に回すうち自分ならではのチェックポイントもできてくるので、まずはシナリオをよく読んでとにかく回す!というサイクルを重ねてみてください。
 

【TRPG】『情報を処理する』って、どうやってる?誰にでもできる3ステップ

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 しまった、あの情報見落としてた。あれ、気になってはいたけど結局そういうことだったの!?そもそもそんなこと言ってたっけ。
 少し長いシナリオになると、出てきた情報をうまく処理して事件の真相を考察し、探索をすすめていくことが重要になってきますね。……でも、『情報の処理』って具体的にどうしたらええねん
 基本ですが意外と混乱している場面をよく見かけるので、具体的に何をすればいいのか?を3つのステップに分けて書いてみることにします。一見難しそうでも、分解して順番にやっていけば意外と簡単。
 今までやったことのなかったあなたは、この機会にひとつステップアップしてみましょう。
 

 

1.情報の整理

≫今持っている情報は何か、それはどこで・誰から得た情報か
 
 1日単発でも情報が多くなると忘れがち見落としがちなので、出た情報はメモや情報タブなどを使って定期的にまとめましょう。
 
 テキストセッションの場合はコピー&ペーストで原文をそのまま貼ってしまいましょう。要約だと時間が余分にかかりますし、内容をそぎおとす際に必要な部分まで巻き込んでしまうことがあります。
 また、情報ソースをはっきり記載しておくことも重要です。あるNPCが嘘をついていたとわかった場合にそのNPCの発言だけとりだして再検討するなど、のちのち情報を見返す際に使います。
 関連しそうな情報はまとめて並べておくのもよいでしょう。
 
 PCの側で情報をまとめてもらえると、GMの言い方が悪くてPCに間違って伝わっている情報を訂正したりできるのでGMとしてもありがたいです
 

2.情報の解釈

≫すでに得た情報から、どのようなことが考えられるか
 
 今どのような事件が進行しているのか、過去に何が起こったのか、謎のNPCの素性は、エトセトラ ……。
 
 コツは情報が少ないうちは推理をしないことです。
 ああなのかな?こうなのかな?と色々可能性を考えてみるのはよいですが、不十分な情報を解釈し、その解釈だけをもとに行動すると確実に道を誤ります(誤らなくてもそれはまぐれ当たりというものです)。
 
 既に出た情報から確実に言えることだけを推定しましょう。確実に言えることというのは、その情報単体で揺れのない解釈ができること、あとから新しい情報が出ても解釈が変わらない(可能性が高い)ということです。
 
 不確かでも推理をする必要があるときは、ありそうな可能性全てをなるべく網羅して推理すること、どのパターンでもカバーできるように動くこと。全てカバーするのが難しい場合はなるべく最悪に近いほうの事態をカバーできるように動くことが必要です。
 前に似たような状況だったときはこうだったからこうだろう、と決めつけるのは推理ではありません。ただの連想ゲームです。経験は、前にこういう事があったからこういう可能性もある、その可能性もカバーできるように動こう、という形で活用してください。
 

3.次に調べる情報の決定

≫何を調べていないのか、今自分たちに必要な情報は何か、
≫その情報はどこに行けばありそうか、どうすれば調べられるのか
 
 既に出ている情報について整理できたら、次に調べる情報を決めます。
 
 まずは存在が示唆された情報および知りたい情報のうち、まだ調べていないもの、調べる手段のありそうなものをリストアップします。これも既出の情報と同様にメモなどでまとめるとよいでしょう。
 
 そしてリストを見ながらどれが重要なのか、今の自分たちにより必要なものはどれかを話し合います。どの情報が欲しいか決まれば、誰がどうやってその情報を入手するか計画をたてます。
 
 
 こうして出た情報を正確にまとめ、何を意味しているのかを考え、次の行動につなげるまでの一連の流れが「情報を処理する」ということです。
 
 いつまとめるか、どの程度細かくまとめるべきかは実際のところ日程やシナリオに左右されます。
 しかし自分なりのやり方をひとつ習得しておけば、いざ複雑なシナリオにあたっても慌てず探索をすすめられるようになります。今までやったことのなかった人は、一度試してみてください。
 
 

情報のまとめ方・書き方の一例

 説明だけだと少しわかりづらいかもしれないので、時々自分の使っているフォーマットを一例として載せておきます。シナリオによっ て多少変化しますが、長いシナリオで丁寧にまとめていくときの基本形はこれです。
 
凡例

情報(by情報ソース)

△この情報から言えること

❕この情報が自分のPCに分かるかどうか(分かるなら○、分からないなら×)

▼この情報についての確度の低い予測、見通し、情報を聞いて思ったことその他

(同様の情報まとめをいくつか並べて……)

まだ調べていないもの、情報が出るか分からないが調べたいもの、単に知っておきたいこと

以上から次にやりたいこと

 
実際の書き方例

「夜は9時から大広間でパーティーを開くのです。妻は体調が悪くて来られないのですが……皆さんもぜひ参加してください」(by館の主人)

「奥さまですか?ご病気などは聞いておりませんが、たしかに今日はいつもの散歩ルートにいらっしゃいませんでした」(by2階で会った招待客)

△奧さんはいつもの散歩ルートに現れなかった、いない理由は屋敷の中全体に周知されているわけではない

❕主人の発言○、招待客の発言×

▼本当に病気なのか?奥さんの居場所とか探したほうがいい?

(……他の情報も調べていくうちに、どうも奥さんの動きが怪しいということになってきた……)

❔奥さんは本当に病気なのか、どこにいるのか

❔パーティーでどんなことをするのか

❔どんな客が来る予定なのか

 

☆何かお土産を持って執事に「奥さまのお見舞いをしたいのだが」とたずねる、断られたらお土産だけ渡して今どこにいる(ことになっている)のか確認する

 
 PCが複数人いる場合、現時点でその情報が自分のPCに分かっているかどうかも合わせてチェックしています。
 
 PLとしてはなるべく全体像を把握しながら動いた方がよいので自分に見える情報はすべてまとめていますが、PCは共有してもらうまで他人の情報を使うことができません。自PCに分かっているかどうかチェックしておくと別行動の多いシナリオでも混乱しにくいですし、「この情報まだ知らないから次に会ったとき共有してほしい」といった打ち合わせもスムーズに行うことができます。
 
 皆さんもぜひ自分なりに使いやすいフォーマットを作って探索に役立ててみてください。
 
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【TRPG】ロールプレイの方法は?コツってあるの?【初心者・苦手な人むけ】

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RPは苦手?やり方が分からない?How to ロールプレイ

 まず最初に、当記事において、ロールプレイ(RP)≡なりきり演技のみではありません。キャラクターの行動や思考、外から見た様子等を描写するすべての発言をまとめてRPとして扱います。
 
 卓の募集要項にRP重視と書かれている場合は=お芝居を作る演技力、熱いドラマを演出する台詞が求められるものが多いですが、それはRPというより演劇の領分なので、即興劇の方法論などを探すとよいでしょう。
 

 
 TRPGはその名の通りロールプレイをするゲームですが、ロールプレイと一口に言ってもやり方は様々です。
 以下の2つはいずれも「ロールプレイ」の範疇であり、ほぼすべての人がこれら2つを必要に応じて使い分けています。
 
『○○します』スタイル
 PCの行動について、おもにPLのメタ視点からシンプルに述べるスタイルです。キャラクターの仕草や口調を演じる「なりきり」が苦手な人は、「それを調べます」「あとで部屋に行く、ということを伝えます」「調べた内容を誰某と共有します」というふうに行動の内容を簡潔に伝えてみましょう。キャラクター同士会話をする時も、「こういう主旨のことを伝えます」と言えば必要な情報は伝わります。
 
 また、ボイスセッションにおいて異性のPCを演じてみたいがなりきり形式のロールプレイができない、という場合もこのスタイルが助けになるでしょう。
 
 さらにセッションの時間が押している場合、つまり巻き進行の時はこのスタイルのほうが時間を取りません。
 
なりきりスタイル
 キャラクターになりきった口調で台詞を喋り、時には一人称視点で行動を描写します。感情的に熱が入るシナリオの場合はこちらのほうが断然盛り上がります。
 最初は恥ずかしがったり緊張する人も多いですが、見ている側は大体何も気にしてないし、情報量が多いので細かいことも覚えていません。気楽にやってみましょう。
 
 重要なのはあなたのPCの性格を分かりやすく表現することです。最初は「ちょっと濃すぎるか?」と思うくらいでよいかもしれません。
 シナリオの本筋に関係のない部分で時間をとりすぎないこと、その他ロールプレイする上での配慮を忘れずに。
 
  • キャラクターのロールプレイは、なりきりでも、客観的な描写でも、その二つの組み合わせでも、好きなやりかたを使ってよい
 

喋るだけがRPじゃない!上手いRPのポイント

 無口なキャラクター、内気なキャラクターなどをプレイしようとすると、どうしても台詞が言いにくくRPが少なくなってしまう。もしくは、そもそも格好いいセリフを思いつけないので喋れない……と悩むことはないでしょうか。
 
 ここで重要なのは、「セリフをしゃべるだけがRPではない」ということです。ルールブック*1にも、PCが内心どう思っているかを表現することが重要と書いてあります。内心(性格)やPCの様子が描写できてさえいれば、台詞にこだわりすぎる必要はありません。
例:
example

内心では気に入らないと思って」「むすっとしている

口ではなにも反応していないが、内心の動揺手が震えている

馴れ合わず探索したいので他の人が情報共有に気をとられているうちにさっさと出ていこうとする

 このように、

内心の動き

行動の意図

結果としての(他のPCから目に見える)行動

 特に内心の動き行動の意図を詳しく書くことで、他PLがあなたのキャラクターを把握しやすくなります。
 
 喋らないキャラクターは、そのままだと他キャラと喋ったり、喋った結果仲良くなり協力する、といったアクションが発生しにくいです。しかし上記のようなRPで考えていることや性格を分かりやすく示しておくと、他PLにキャラを把握してもらうことができ、向こうから絡んでもらいやすくなります。
 PC本人が何も言わずに悩んでいることをこのように描写しておくと他のPLから解決策を提示してもらえる場合もあるため、自PCのキャラクターを把握してもらうことは重要です。
 
 また今は無口なキャラクターを例に挙げましたが、じつは普通に喋るタイプのキャラクターでもこの技が使えます。台詞以外の描写も使えるようになるとキャラクター性の分かりやすさが段違いになるんです。
 
 初心者がひとまず目指すべき良いRPとは、自分のキャラクター性を他人に分かりやすく伝えることのできるRPです。熱いドラマの構築など、さらに進んだRPをやってみたくともまずこの基礎がないと始まりません。逆にこれが上手くできていると、ドラマが自然発生的に起こってくることさえあります。
 
 台詞だけにとらわれず、様々な方法でPCを表現してみましょう*2
 
  • RPのときは、内心の動き行動の意図実際の行動の3点を意識して、キャラクターをわかりやすく描写してみよう
 

キャラ設定の作り方とか掘り下げとか、どうしたらいいか分からない

 想像上のキャラクターをいちから作るという作業には、向き不向きや慣れの問題もあります。
 
 キャラクター作りを簡単にする方法として、映画や小説に出てくるようなある意味「典型的な」人物像を設定する人もいますし、もっとピンポイントに特定のキャラクターをモデルにしたPCを作る場合もあります*3
 
 もしそのようなモデル方式を使いたくないのであれば、
 
1.キャラクターとして使ってみたい性格、癖、好みなどをいくつか書き出す。好きなキャラクターを分解してみてもいいし、ランダムに思いついたものを書きなぐってもよい。
(例:ぶっきらぼう、実は友情に篤い、ホラー映画は苦手、人懐っこい、激辛カレーが好き、虫が嫌い、験担ぎのお守りをいつも持っている、口癖は「不思議なものなんてこの世にはないよ」……)
 
2.その中から長所をひとつ、短所をひとつ、分かりやすい特徴をひとつかふたつ選ぶ。
(例:人懐っこい、ホラー映画は苦手、口癖は「不思議なものなんてこの世にはないよ」)。
 ポイントは、まず他人と絡んだり突っ込んでもらったりする余地のある組み合わせにすること。完璧超人であったり、一人で暴走するようなタイプは扱いにくい。また、要素はあまり盛りすぎないほうが使いやすい。他の要素はまた別のキャラクターを作る時の楽しみにとっておいて、シンプルなイメージから性格を作る。
 
 といった方法もあります。最初に決める性格は本当に簡単なものでかまいません。このようなちょっとした性格上のキーワードをいくつかと、ダイスで決めた能力値、職業、その他背景設定を組み合わせてなぜそのような能力値/技能値になったのか?どういう人生を生きてきたのか?を考えてみると普通に遊ぶには十分な密度の設定になります。
 
 掘り下げにおけるポイントはこの「なぜ」で、今キャラクターについている設定や能力値がなぜそうなっているのか、どんな経緯でそうなったのかを自分なりに考えて埋めていく、という作業がキャラクターの掘り下げになります。
 なぜあなたの探索者はCONが普通よりも低いのに警察になったのか?
 なぜあなたの探索者はそんなにも変装に秀でているのか?過去にどんなエピソードがあったと考えられるか?
 キャラクターシートをよく眺めてみれば、このような掘り下げの種が随所に見つかるはずです。
 
 さらに言えば、キャラクターは最初からそう完璧に作りこまなくても大丈夫です。
 システム上求められる最低限の設定だけ作っておき、あとはシナリオで提示された状況に対して「彼(女)はこう行動させることにしよう、ということは多分こういう性格で今こういうことを考えてるんだろうな」とセッション中の行動から逆算してキャラクターの背景を固めていくプレイヤーも多いです。
 なぜあなたの探索者はそこで引き返さずにNPCを助けに行く道を選んだのか?命の危険より優先する何かをこの事件に見出だしたのは確かだろうが、その何かとはなんだったのか?なぜそれが重要なのか?
 
 シナリオの都合上とった行動であっても、そこからキャラクターの心やドラマを産むことができるのです。
 
  • キャラクターの掘り下げとは、職業、能力値、技能、バックストーリー、行動がなぜそうなったのかを考え、これらの断片的な情報をつなげるストーリーを作り出していく作業のことだ
 

ロールプレイのマナー

確定ロール

 ロールプレイングをするにあたってよく挙げられる、気を付けるべきマナーのひとつに『確定ロール』というものがあります。
 例えば、
 
「○○と一緒に△△を調べます」
「○○を撫でます」
 
 といったロールプレイをしたとしましょう。この時、○○が他のことをしようと思っていた場合、またはあなたに撫でられたくなかった場合、相手の意思とこちらの行動が齟齬を起こすことになります。慣れた人ならば「その前に□□を確認します」「避けます」などとうまく対応できますが、そうでない場合、最悪喧嘩になります。(もちろん、気心の知れた人同士がふざけてやるのは別です。対人ゲームですから、そこはお互いの関係性次第です)
 
 誰か他のPCを対象にとって行動宣言する場合、相手の行動や、自分の行動が相手にもたらす結果を勝手に決定しないようにしましょう。さきほどの例であれば、
 
「一緒に△△を調べようと○○に提案します
「○○を撫でようとします
 
などであればOKです。
 
 KPも、「これは確定ロールではないか?そのまま通すと問題があるのではないか?」と感じた場合は一度止めて相手方のPCに「……ということだけど、そのアクションを受け入れる?」と聞いたほうがよいかもしれません。
 押しの弱いPLは「うーん……」と思っても表立っては何も言えないということがよくありますし、PLの行動宣言に対してKPが何も言わないならばその行動はそのまま通るものと思っている人もいます。
 
 より詳しく知りたい場合は「確定ロール」で調べてみてください。その他、ロールプレイをする上でのマナーはPBW、PBC(という種類のゲームジャンル)などの有志のマナー講座が詳しいです。気になる方はこれらの単語+ロールプレイなどを組み合わせてみるとさらに色々読むことができます。
 
 また、「"優しげに"笑います」「"相手を圧倒する"ような態度をとります」といった、自分の行動の印象を決定する発言もそのまま通るとは限りません(自分のPCがそのつもりでやっている、ということならよいだろうと思います)。自分の行動を決めることはできても相手がそれをどう受け取るか、他人の内心まで決めることはできないということです。
 
人狼RP村の解説で分かりやすいものを見つけたので参考に:https://www24.atwiki.jp/rp_style/pages/45.html
 
 他、”My guy" syndromeというRP上の有名なマナー問題について別記事があります。こちらはどちらかというと経験者向けの記事なので、もし興味があればどうぞ。

 

  初心者向け部分ここまで。

▶関連記事

初心者ガイドまとめページで他の攻略情報をまとめ読みする


 
 
 ここからは初心者向けのハウツー記事としては余談なので、興味のある方だけご覧ください。

 

CoCにおけるRPの話

 ロールプレイ(大抵はなりきり演技の文脈で)の是非が取りざたされる際「そもそもロールプレイとは……」の定義論に突入していくことも多いのですが、各システムのルールブックを読めば「このシステムにおけるRPはこういうもの」と書いてあることもあります。
 とりあえずCoCについては「ロールプレイとはどのようにすることなのか」「ゲームにおけるロールプレイの位置づけ」「どんなロールプレイがよいロールプレイなのか」「ロールプレイの楽しみ方」くらいまではルールブックに出てくるので、読んでみることにしましょう。
 

クトゥルフ神話TRPGにおける『ロールプレイ』とはどのように定義されているか?

※引用内の……は中略もしくは後略

『自分が引き受けている人物としてしゃべり、その人物を演じる』p.29
「なりきり」は『ロールプレイ』に含まれる
 
『ロールプレイすることによってさらに面白くなる。例えば……やるべきことなのかどうか。……探索者のパーソナリティに沿った行動をとらなければならない』p.30
→探索者の「行動」も『ロールプレイ』に含まれている
 
『一度に1人以上の探索者をロールプレイするのを好まないプレイヤーもいるが、……』p.33
→その他p.42や59など、「なりきり」あるいは「アビリティ・プレイ」どちらかのみのような狭い意味ではなく、単に「そのキャラクターを使って遊ぶ」くらいの包括的な意味合いがあるとみるべきでしょう。
 

『魔術や武器がどんどん強力なものになっていけば、ロールプレイングのチャンスが少なくなるということである。……効力が大きければ大きいほど、……プレイへの普通の挑戦の機会が少なくなっていく』p.152

『探索者が格好良く劇的なプレイをしたら、……成功を収めたということである。本当の失敗とは、悪いロールプレイだったということ』p.30
『ロールプレイ』の同意語として『プレイ』が使われている箇所が複数ある。なのでロールはこういう意味で、プレイはこういう意味なので~と単語を分解して意味を考える作業はCoCルールブックにおける『ロールプレイ』の語義を考える上ではあまり意味がないのではないかと思います。
 

CoCを遊ぶにあたって結局『ロールプレイ』ってどういう位置づけで取り込めばいいの?

 p.92~94「狂気をプレイする」、p.96~「プレイの例」等、ロールプレイに関わる記述は多くのページに散らばっているので、そちらも参照の上……
 
 総論としてはp.30にまとまっており、
『"クトゥルフ神話TRPG"はロールプレイすることによってさらに面白くなる』
『ロールプレイの本当の面白さは、プレイヤーによるロールプレイの工夫を感じ合うところにある』
『ゲームのポイントは使命を達成することではなく、あくまでもロールプレイにあるのである』以上全てp.30
 ゲームを楽しむポイントはロールプレイにあり、複数人で遊ぶことでその醍醐味を味わうことができる。複数人の間でロールプレイの相互作用を生み出すためには自分の探索者の人柄を分かりやすく伝える必要があり、メタ描写にしてもなりきりにしても「分かりやすさ」を旨として表現するとよい。という理解をしています。個人的には。
 

RPはどう練習すればいい?

KPレスシナリオを活用して練習してみる
 セッションが始まる前にロールプレイを練習しておきたいがどうすればいいか分からない*4、そんな場合はKPレスシナリオを活用してみましょう。ゲームブックで遊んだことのある方には馴染みのある形式かもしれません。
 その名の通り一人で遊べるシナリオで、書いてある通りにダイスを振り、成功すればこのページ、失敗すればこのページ……というように選択肢の出るアドベンチャーゲーム的な進行でゲームを遊ぶことができます。
 シナリオを探す場合は「KPレス」で検索するとよいでしょう。
 
 7版で英語が読めるのであれば、ケイオシアム公式から"Alone Against The Flames" というシナリオを無料ダウンロードすることができます(無料PDFはページ下部の"Free PDF download"からどうぞ)。このシナリオの翻訳は新クトゥルフ神話TRPGのスタートセットに含まれているので、買えば日本語で遊ぶこともできます。
 
 練習なので、増減したSAN値や後遺症、死亡などを反映する必要はありません(ただし成長もありません)。*5
 
 ココフォリアなどで自分一人の部屋を作る(テキストの場合)か喋れる環境(ボイスの場合)を用意し、シナリオの各シーンで「このような状況でPCはどの選択肢を選ぶか?」「どのように考え、どう行動するか?またそれをどう表現するか?」「シナリオを進行させつつキャラクター性を分かりやすく表現できる言動はどんなものか?」を考えながら、実際にプレイするときのようにロールプレイの文面を入力したりしゃべったりしてみます。
 
 一番重要なのは最後の「シナリオを進行させつつキャラクターの性格を分かりやすく表現できる言動はどんなものか?」です。
 キャラクターの性格を表現するためといって、シナリオと関係のない行動ばかりとっていてはいざ遊ぶ時にKPも困ります。実際は導入部やキャラクター同士のやりとりのノリで本筋の進行に関係のないシーンが発生することもありますが、これは「本筋を進行させる」ということを考える必要がないので楽ですしあまり練習の必要はありません。
 せっかく真面目に練習するのであればセッションの本分である「シナリオに必要な行動を進めながら同時にそのPCがどんな人物なのかを表現する」ことにチャレンジしてみましょう。
 
 キャラクター性というのは狭義の性格のみにとどまりません。そのキャラクターの職業や所持技能ならではの行動があるのではないでしょうか?同様に、今いる社会環境や過去の経歴、年齢や性別に左右される(あるいは左右されない)、そのPCの設定を分かりやすく表現できる方法があるはずです。
 
 練習なので一か所で色々なロールプレイのパターンを考えてみたり、最後までやったシナリオにまた挑戦してみてもいいでしょう。なおセッションで全ての発言においてRPを練っている時間はそうそうないので、実際に遊ぶときに練習で考えておいた内容が反映できなくても気にすることはありません。そのPCに慣れるにつれ自然と練習の内容が反映できるようになってきます。
 
 ちなみに、練習に付き合ってくれる友人がいるのであれば適当なシナリオのKPを頼んでもよいと思います。
 あくまですぐに一人でも練習したいという場合はKPレスというだけで、KPがいないぶん様々な制約があります(やりたい行動に応じて柔軟にシナリオを進めてもらうことができない、他PCNPCと絡んでのRPの練習はできない等)。
 
使えそうなRPのパターンをためこんでおく
  「こういう時このPCはどう反応するかな、というのを普段からよく考えている」というような話をRPの上手い人から聞くことがあります。全然別の界隈の人から時折同じことを聞くので、↑のような一人RP練習の簡易版として、普段から頭の中でキャラクターのRPをしてみるというのはひとつのRP上達法なのかもしれません。セッションの時その場で即座に考えるのが苦手ならば、先に考えてネタを作っておこうというわけです。
 考えてみれば、自分もRP重視と言われているときはKPからできるかぎり(ネタバレにならない範囲で)シナリオの話を聞き、RPのプランを事前に考えてから臨むと「うまく遊べたな~」と思えることが多いです。上手い人の中にはこれを普段からマメに(あるいは意識せずとも自然に)やっておくことで常に良いRPの準備ができている、というタイプの人がいるのかもしれません。
 RPの上手さの要因の一つとして「頭の中にストックされているRPのパターンの多さ」があると仮定すると、リプレイなどで他人の良いRPをたくさん読む/見る、というのもひとつの手でしょう。ただ自分のキャラクター、自分のシナリオの状況にそぐわないところで良いと思った他人のRPを持ち出してもうまくいくとは限りませんので、やはり一番は自分のPCを使ったシミュレーションであろうとは思います。
 

RPとはなにか、いいRP悪いRPとはなにか

RPとはなにか──既存の議論について

 決まった定義はないようです。自分の調べた範囲で目についた各種定義についてはこの記事の最後にメモ書きしました。

個人的なRP良し悪し論

 PCについて描写するすべての発言を包括的に「RP」とした上で、RPの良し悪しをみるにあたり3つの判断軸があると考えます。
 
 RPの持つ属性の3軸
  • メタ⇔なりきり
  • 進行に関係ある⇔ない
  • 本人の性格に関する情報量(キャラクター表現)ある⇔ない
 
メタ⇔なりきり軸
 普段はどちらでもよいと思います。完全にどちらかのみに振ってしまう遊び方でもあまり問題はないでしょう(自分と同じスタイルを他人に強制しない限り)。
 
 ただし対人関係の判定が絡む会話にはなりきり台詞を求められる場合があります。
 説得のキーとなる情報を取得し・判別して説得内容に入れられているかどうかや、その場にふさわしい言動が分かっているかどうかが判定の対象とされることがあるのです。そのような場合にはうまい台詞を言えるにこしたことはありません。
 
 また、キャラクター性を表現するにはどちらかというとなりきりのほうが有利な場面が多いです(台詞のトーン、口調、言い回しなどで性格を表現しやすいため)。ただ本当に「どちらかというと」程度ですし、メタ的説明RPにも、PLの発言主旨が伝わりやすい・進行がしやすいというメリットがあるので好みあるいは場面によって使い分けられればよいと思います(大多数の人はそうしているでしょう)。
 
進行関係あるなし軸
 まずあったほうがいいのは大前提です。ただ導入などはまだストーリーが始まっておらず、状況に沿ってそれっぽいキャラクターの性格表現をしてほしい(セッションが始まってから行われる自己紹介タイムのようなもの)、周りのPCと交流してまとめて導入するとっかかりを作ってほしいといった意図の場面だったりするのでそもそも進行させようがないことがあります。そのような場合はとくに気にせず遊ぶ方が正解です。KPにシーン意図を聞けば答えてもらえることのほうが多いと思います。
 
 稀に序盤のなにも変事が起こっていない状況で探索を始めなくてはいけないものもありますが、「(探索の動機づけがなにもない時点で)必要な探索を行わなかったので不利益が発生した」などと言われたら怒ってよいです。
 
 進行に一切関係なくセッションの流れを滞らせるようなものは基本的にはNOです。ただ茶番の是非というものは本当に流れ次第なので、場の雰囲気を読んでやるか、KPに「今って茶番していい時間?」と聞けるようになったほうがよいでしょう。
 
性格に関する情報量軸
 ルルブにもあるように『あいつならこうするよ』と言われるくらいの適度な表現があるとよいでしょう。情報過多かな?と思っても、セッションの進行を阻害しない限りはさほど問題にはなりません。逆に少なすぎると他PCと絡む機会を失う可能性があります。
 個人的には他人から自PCの性格について言及があるかどうかでうまく伝わっているかを判断しています(そして私はキャラクター表現が非常に薄いので言及されることは稀です。正直苦手です)。
 
 他PLに自PCの性格を知ってもらうことの重要性はすでに述べてきたので繰り返しませんが、とにかく「上手い」と思う人はこの軸もバランスよく取り入れられている印象があります。
 なんといっても、よいキャラクター表現は他人を楽しませることができるので。
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補遺

 ロールプレイ、キャラクタープレイ等の用語それぞれの定義と分類についてひととおりのバリエーションをメモしたもの。
 メモなのでまとまってはないです。書き抜きのみ。
 ネット資料のみですが、あくまで「『ロールプレイ』およびその関連語が一般的にどのようなものとして認識されているか」を知りたくて調べてたのと、書籍で見たもので以下の分類の範囲を出るものはなかった(あるいはこれらをすべて含むような包括的な意味で使われていた)ので引用・確認しやすいこちらを貼っておくということで。
 
・ロールプレイが包括的な言葉(アビリティ・~とかキャラクター・~とかの上位分類)として使われており、下位分類としてアビリティ・プレイ(PCの能力的な個性に重点を置く遊び方、ウォー・ゲームに近い)、キャラクター・プレイ(人格部分の個性を演じる)をおくもの
RPGにおいて、プレイすべきロールとは何か Date:1999/10/26(火) 10:21
『PCの人格をプレイするのが、キャラクター・プレイである。例えば、乱暴だとか、臆病だとか、そういったPCごとの個性を出そうというのだ。
 両者は、共にロールプレイの一環なのだから、両方とも損なってはならないのだ。
 
 それに考えてもみよ。戦いが嫌いで逃げ回るようなキャラクターが、戦士になろうと考えるだろうか。あるアビリティを持ったキャラクターをプレイするということは、そのキャラクターがそのアビリティを望んで得た、もしくは望まなかったにせよ受け入れたことを表している。つまり、アビリティ・プレイもキャラクターの個性の表現の一部なのだから、それを無視するということは、結局そのプレイヤーはキャラクター・プレイを行っていないのだ。
 
 自分のキャラクターは嫌々戦士にさせられたのだから逃げて当然と主張する人は、一つ大きな見落としをしているのだ。なぜなら、例えばそのキャラクターが剣技を身につけているとしたら、嫌々かもしれないが、そのキャラクターは剣をふるったことがあるはずなのだ。ということは、何らかの状況になれば、そのキャラクターは嫌々剣をふるうはずである。それを無視して、いかなる状況でも剣をふるわないのだとしたら、それはそれでキャラクターの人格を無視しているのだ。』
 
初心者のためのRPG入門
『キャラクタープレイ -あるいは傷つきやすい人々-』
『キャラクタープレイのすゝめ』
 
ちょっと主旨から外れますが馬場講座を初めて読む人向けに
TRPG】馬場講座の功罪
クトゥルフ神話TRPG】ロールプレイについて
 
 
・茶番=キャラプレイという認識のもの
キャラプレイは必要です。 2014年 08月 27日
『 キャラプレイとは何かを先に定義しよう。
 シナリオ進行に直接は関係なかったり、進行を含むがそれが主体ではない行動をさす。
 TRPG動画ではおなじみの茶番と呼ばれるもの全般である。』

 

・ロールプレイをなりきりもそうでないものも全般的に含めて使っているもの
ロールプレイが苦手な方のためのアドバイス
 
・ロールプレイ⊃キャラクタープレイ、
なりきり自体に夢中になって事件の解決などシナリオの目的と相反するようなロールプレイがキャラクタープレイと呼ばれている、という認識のもの
ロールとキャラクターはいかにして対立を乗り越えるのか
『こうしたキャラクター演技は、(ロールを忘れた演技という意味で)自己目的化した“キャラクタープレイ”として批判されてきました。』
 
・「キャラクターの人格、思考とそれに基づく行動をロールプレイすること」をキャラクタープレイと呼んでいるもの
ただしこの記事は直後に「プレイヤーがキャラクターの会話の内容や行動を宣言する際に実際にキャラクターがしゃべっているかのような演技によって行うプレイスタイル」と定義しなおしている。つまりなりきり=キャラクター・プレイ。
 
 
・RP=なりきり、あるいは推理(※人狼のため)に関係のないなりきりとして定義するもの
『それ以前にこのゲームは対話型(テーブル・トークRPG=「ルールの整備された『ごっこ遊び』」の一種ですから、そちらの定義に従って「キャラクター(ペルソナ)になりきる」ことを指してRPと言う場合の方が多いようです。つまり、即興の「お芝居」のことです。
このセクションでの「RP」は後者の意味としてとらえています。
狭義の「RP」=推理に関係しない芝居
すべての発言はRPであると言えます。
(中略)
その間は好むと好まざるとに関わらず、たとえ中の人の素の喋りであろうと、事実の整理であろうと暴言であろうとメタ発言であろうと、議事録に書き込まれた段階で他の人には「キャラクター(ペルソナ)の台詞として」=「RPとして」読まれます。
本来的な意味でRPせずにゲームに参加することは不可能です。』
 
・なりきりをキャラクタープレイ、上記アビリティ・プレイにあたるものをロールプレイと呼んでいるもの
02.キャラクタープレイ〜無意味な、あるいは有害な議論
2010/1/14 2012/3/24
『そもそも、「キャラクタープレイ」に関しては、本来的にはバランスの問題なのだ。
 なさ過ぎるとシミュレーション、あり過ぎると演劇、というバランスの中で、』
『「ロールプレイ(役割を演じる)」的にも、「キャラクタープレイ(人格を演じる)」的にも』
 
 アビリティ・プレイとなりきりは極端なものだと排反事象として扱っていますが、複合要因であったり、ある一つの発言を解釈するうえでのレイヤーとして扱っていたり、「ロールプレイ」のみならずその関連タームまでも意味用法の揺れが起こっているのが見てとれます。正直本当に「共通見解がないんだなあ」以上の印象がないです。あんまり定義論で喧嘩しないようにしましょう。
 
 

 編集ノート
20210823 RPはどう練習すればいい?項「使えそうなRPのパターンをためこんでおく」を追記
 

*1:CoC

*2:CoCのルールブックがあれば、6版p.96~もしくは7版p.11~およびクイックスタート掲載のプレイの例を見てください。台詞によるなりきり、行動のメタ描写、内心の動きの説明など、すべてのタイプのロールプレイを見ることができます

*3:見た目も性格もある特定のキャラクターをなぞって作るタイプのPCは卓により断られる場合があります。必ず事前にGMに問い合わせましょう

*4:とはいえ、本当に初心者ならば一人で練習する前に実際に遊んでみないと感覚をつかみづらいと思うので初心者向けセクションからはあえて外してここに置いてあります

*5:私見ですが変則的でゲームバランスが危ういものも多いので、結果を反映したい場合はある程度数を見て中身に嗅覚がきくようになってからいつ死んでも大丈夫なPCで挑むのがよいと思います

【クトゥルフ神話TRPG】これだけできれば大丈夫、初心者プレイヤーの遊び方基本のキ

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 クトゥルフ神話TRPGを始めたてで、何をすればいいのか、何ができていればいいのかも分からない……。そんなあなた向けに、とりあえずこれだけ意識できていれば大丈夫!という基本の遊び方をまとめました。

 

ルールを確認しよう

 基本ルールブックを持っていない場合は、7版のクイックスタート(簡易版ルールブック)が公式から無料でダウンロードできます。まだルールブックを買えていない場合、最初はこれを参照しましょう。
 
 http://r-r.arclight.co.jp/wp-content/uploads/2019/...(PDFダウンロードが始まります、通信量注意)
 
 2021年現在、6版環境は未だ根強いためここに載っているのと違うルールを使う場合もあります。しかしいずれの版を使用する場合でも4~6ページ及び7ページのプレイの例は参考になるでしょう。またルールも大筋は変わらないため見ておいて損はありません。
 
 ルールブックなしで遊びたい場合は、KPに確認してから参加すること。クイックスタート既読、ルルブ未所持の場合もKPによって可・不可が分かれるので必ず聞いてください。
 
 ゲームを遊び始めるにあたってプレイヤーとなるあなたが読む必要があるのはp.28~114(6版)、p.10~17,28~177(7版)です。もちろんすべて暗記する必要はありませんが、一度通して読むことで「たしかこういうルールがあったよね」と思い出せるようにしておきましょう。
 
 ただ初心者のうちは慣れないシステムのルールをこれだけ読み通すのも大変な場合があるかもしれません。
 もし参加予定のセッションまでに時間がない場合は、KPに「最低限どの章を読んでおけばよいか?」を聞いてみるのもひとつの手です。前提として、ゲーム参加にあたって必要なルールをおさえておくというのは最低限の必須事項ですが、たとえば「カーチェイスはシナリオ記載のルールを使うから今回は必要ないかな~」だとか「うちは戦闘はハウスルールを使うからルールブックの細かい部分は使わないよ」だとかいう場合はけっこうあります。そのセッションが終了したら、あらためて全体を読み通してみてください。
 
 ルールを自分で把握しておくことで、セッションをよりスムーズに進めることができます。
 また、自分の持っている技能でできること・できないことの範囲を把握しておけば探索をするうえでどのような動きをするのが効果的かアイデアが出やすくなります。動画などでは見ない便利な使い方も多いので、初めて読む人にはかなりの発見があるはずです。
 
 他にもこのルールを使ってこういうことができないだろうか?とKPに提案し、より活躍の場を広げることもできます。PLに必要な部分は、一度読んでおきましょう。
 
  • ルールブックを読んだ?
    →p.28~114(6版の場合)、p.10~17,28~177(7版の場合
 

KPの裁定を聞こう

 CoCに限らず、TRPGGM(CoCではKP)が全体の進行役をつとめます。こういうことをしたい、その場合はどのルールを使うのかな?どの能力値で判定するのかな?全てKPに聞いてみましょう。そして、それに従ってください。

 

 シナリオの都合上、ルールブックに一般的な裁定として記されているものと違うルールを使ったり、そもそも判定が発生しなかったりということもよくあります。適当に思えるかもしれませんが、これはTRPGというゲームの柔軟性ゆえに発生するものです。

 あなたが普通のルールでは処理しきれないような創意的な方法を思いついたとします。このとき、KPには新しい判定方法やルールを作り出してでもそれに応えられるだけの権限が与えられています。

 そして、そのKPが無理と判断したものは、何があっても無理なのです。

 

 これをやりたい、と思ったら、まずKPに提案してみましょう。なんでもKPに(一緒に遊んでいるPL,PCに影響することなら、もちろんその人にも)相談してみることです。どうすればいいかはKPが教えてくれます。

 
  • KPに相談して、裁定を聞こう
 

ゲームを進めよう

 TRPGをプレイする上で重要な行動を3つに絞りました。(合わせてルルブp.28,29「TRPGとは」の項も参照のこと)

行動宣言をしよう

 ひとつめは行動宣言。「KP、○○をします」という発言のことです。

 極論、この行動宣言さえしていればゲームを進められます。まずはここから始めましょう。

 「○○しようかな~」「○○したらどうなりますか?」では、KPは答えようがないことが多いです(PCが今知っていること、調べて分かったことについてはKPが提示できますが、○○したらどうなるか?という予測については、PCに未来予知の能力でもない限り情報を出すことはできません。ただし、「こういう情報があったことを鑑みると、よくないことが起こるかもしれないよ」といったヒントをくれる場合も)。

 

 考えて、行動した結果どうなるかを楽しむのがこのゲームです。喋って進めるゲームなので、黙って立ち止まるより、〇〇します!をどんどん使っていきましょう。

 

 また行動宣言時は「どういった目的で」「何をするのか」を具体的に宣言しましょう。

 たとえば、単に「言いくるめを振ります」だけではいったい何を言いくるめたいのかが分かりません。また、使う技能はKPが決定するので、どの技能を使うかまで宣言する必要はありません。よって、「どういう結果を得るために、どのように行動したい」というふうに宣言してみましょう。

 たとえば、「この廃墟に人が住んでいる痕跡がないか探したい」ならば「目星を振ってください」と言われるかもしれませんし、「潜んでいる敵に見つからず安全に捜索できるか幸運を振ってください」ということになるかもしれません。「何のために、どういう行動をしたいか」をKPに伝え、KPはそれを受けてどんな判定が必要か、どんな結果になったかを裁定する、という行動の繰り返しでゲームが進んでいくのです。

 

相談しよう

 ふたつめは相談。これはKPへの相談PL同士の相談があります。

 KPへの相談は提案や情報の確認など、いくつか種類があります。相談というか声掛けですね。「こういうことをしてもいいですか?」「こういうことを考えているんですが、やるとしたらどんな判定が必要になりますか?」「周囲の様子はどうなっていますか?」とにかく気になることは何でも聞きましょう。上の「裁定を聞こう」の項と被っていますが、要はそのくらいKPを使ってくださいということです。

 また、「こういうことをしてみたいんですが、何か使えそうなものはありませんか?」といった相談もよいでしょう。細部の設定はKPにしか分からないことが多いですが、こういった相談ができると、その設定の中から使えそうなものをKPが拾ってくれる場合があります。

 次に、複数人で遊ぶときはPL同士の相談が必要なのは言うまでもありません。探索は一緒に行うのか?手分けするのか?情報の共有は?シナリオクリアに向けて助け合うため、こちらも必要なことはなんでも話し合いましょう。「自分のPCはこういうことをしてみたいが、あなたはどうする?」と積極的に発言したほうが、全体としての方向性も定まりやすいです。p.30『プレイヤー間の協力』も合わせて参照のこと。

 「NPC接触するか否か、また会話が発生するならばその内容をどうするか」「あるNPC(や神話生物)に攻撃をしかけるか否か」等は特に、先にPLレベルで相談を行った方がよい内容です。何かに対して敵対的な行動、破壊的な行動、何らかのトリガーになりそうな行動(扉を開くなど)は特に注意して同意をとるのが無難です。

 

 大前提として、TRPGの目的は、お互い協力しあって皆が楽しむことです。自他に危害を加えたり、PCの立場が不利になったりするようなピーキーなRPなどは、必ず相談して同意を取りましょう

 PvPなどが発生する場合はまた別途頑張ってください。

情報を整理しよう

 みっつめは情報の整理。シナリオが進むと、次々と新たな情報が出てきます。新しい場所の描写がつらつらと並ぶ、日記を読む、判定の結果が出る、とにかく情報だらけです。共有メモなどを使い、出た情報は逐一整理してまとめていきましょう。1本道シナリオでも、3つ目の部屋あたりにくるともう1つ目のことが頭から抜け落ちていたりします。

 出た情報は共有し、取りこぼしの無いようにまとめ、事件解決の方針を探りましょう。

 

  • 「KP、○○します」と行動宣言しよう
  • KPや一緒に遊んでいるPLに相談できるようになろう
  • シナリオで出てきた情報を整理しよう
 
▶攻略情報まとめ読み

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